4.検査と診断

大腸がんを発見し、診断するために次のような検査が行われています。

直腸診

  • 指をお尻から入れて、しこりの有無やできている部位を指の感触で調べる検査です。

直腸診大腸内視鏡検査

  • 内視鏡を挿入し、直接、腸の中(直腸から盲腸まで)を見ていく検査です。
  • 必要があれば、がんの疑いのある組織を取り、病理検査することで、がんかどうかの確定診断がつけられます。

注腸造影検査

  • お尻からバリウムと空気を注入し、大腸を膨らませた状態でエックス線撮影をします。
  • 一枚の画像で全体の腸の状態がある程度わかるので、盛り上がったがんやポリープの発見のほか、腸の狭さの程度や病気の正確な位置や大きさが把握できます。

CT・MRI・超音波検査・PET等の画像診断

大腸がんの画像診断は、大腸がんを発見するという事より、がんを発見した後で、 原発巣の進み具合と肝・肺・腹膜、骨盤内の転移・再発を調べるために用いられます。
またPET検査は、一般的には注目されている検査ではありますが、検診としての有用性はそれほど高くありません。 費用も高額であり、担当医師と十分に相談することが大切です。

腫瘍マーカー(血液検査)

血液の検査でがんを診断する方法ですが、大腸がんだけを早期に発見できる腫瘍マーカーはまだありません。 進行大腸がんでも約半数が陽性を示すのみです。現在は主に大腸がんの進行度を表す指標として使われます。

病期(ステージ)

大腸がんと診断がつけば、「どの程度進行したがん(病期)」か「リンパ節あるいは肝臓や肺に転移があるのか」の検査が行われます。病期とは、がんの進行の程度を示す言葉で、英語をそのまま用いて「ステージ」という言葉を用います。
がんの大きさではなく、大腸の壁の中にどれくらいがんが深く入っているか、周囲組織への広がり、リンパ節転移・遠隔転移の有無によって進行度が規定されています。

大腸壁は下図のように5つの層に分かれており、このうち、どこまでがんが達しているかによって、がんの進行具合(病期)が決定されます。 粘膜下層までにとどまっているものが「早期がん」です。
そしてステージによって治療方法が決まっています。

大腸壁の仕組みと病期
大腸がんの分類
ステージ分類
0期 がんが粘膜にとどまるもの
I期 がんが大腸壁にとどまるもの
II期 がんが大腸壁を越えているが、隣接臓器におよんでいないもの
III期 リンパ節転移のあるもの
IV期 腹膜、肝、肺などへの遠隔転移のあるもの

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