大腸がんの自覚症状は大腸のどこの部位にどの程度のがんができるかによって違います。また典型的な症状はなく、良性の病気でもがんと類似した症状がおきます。
肛門から遠い部位では、排泄物がまだ水分を多く含んでいて、ドロドロの状態なので、たとえ内側が狭くなっていても通過できます。そのためこれらの症状は出にくく発見が遅れることがあります。
がんのできる部位によっては症状が表面化しにくいこともあり、早期発見のためには、定期的な検査を受けることが大切になります。
血便はがんの中心が潰瘍となり、出血がおこるためにおこります。がんができた部位が肛門に近いほど、はっきりした真っ赤な血液が付いた便になります。
がんがS状結腸にできた場合は、血液が変色して黒っぽくなります。また血液と粘膜が便に付着した粘血便となることもあります。
血便の症状は、痔による出血と勘違いして発見が遅れることが多々あります。血便があった場合には、医療機関できちんと検査を受けることが大切です。
大腸の内側ががんで狭くなった場合には、「便が細くなる、残便感がある」「下痢と便秘を繰り返す」といった排便異常の症状が出やすくなります。
がんのできる部位によっては症状が表面化しにくいこともあり、早期発見のためには、定期的な検査を受けることが大切になります。
大腸ポリープ
自覚症状がないことも多いが、大きくなるとがん化するので要注意
大腸がんの発生には、遺伝的因子よりも、食生活等の環境因子のほうが大きな影響を与えていると考えられています。しかし、なかには遺伝的要因で発生することが明らかになっている大腸がんもあります。
大腸の粘膜が盛り上がって出来るのが、大腸ポリープです。大腸ポリープが出来ても、症状が現れないことが多いのですが、ポリープが大きくなると便秘や下痢、血便等の症状が現われたりします。
大腸ポリープは年齢が高くなるほど出来やすくなり、その数も増加します。大腸ポリープは、大きくなるほどがん化します。5mm前後の大きさであれば、がんの心配はまずありません。
2~3年後に内視鏡による確認を行います。 がん化の有無に関わらず、2㎝程度までなら、多くは内視鏡を用いて切除します。
大腸ポリープ等、初期の段階では自覚症状がほとんど現れない大腸の病気を早期に発見するためには、
40歳以上の人を対象に毎年実施されている「便潜血検査」を受けることが大切です。