「禁煙は個人で行うもの、自分が必要でなければ別にしなくてもいいものなのでは?」 本当にそうでしょうか?あなたがたばこを吸っている周りには、家族や大切な人がいるはずです。
禁煙を不安に思うかもしれませんが、今からでも大丈夫。禁煙をきちんと理解して、スタートしましょう!
6.今さら禁煙しても効果がないのでは?
もちろん間に合います!禁煙するのに遅すぎるということはありません。
たばこはやめたその時から、あなたやあなたの周りに良い影響を及ぼします。
50歳までに禁煙したとすれば、その後15年間に死亡する確率は半減します。
また、禁煙の効果は高齢になって禁煙した場合でもみられます。そして、喫煙関連の病気(喘息・COPD)等の症状が現れてからでさえも、禁煙する事によってその予後は大きく改善するのです。
禁煙直後 | 周囲の人をたばこの煙で汚染する心配がなくなる |
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20分後 | 血圧と脈が正常値に下がる |
手足の体温が上がる | |
8時間後 | 血中の一酸化炭素が下がる |
血中の酸素濃度が上がる | |
24時間後 | 心臓発作の可能性が減る |
48時間後 | 味覚や嗅覚がよくなる |
歩行が楽になる | |
2週間~3ヵ月後 | 循環機能がよくなる |
肺機能が30%よくなる | |
9ヵ月後 | 咳や息切れが改善する |
スタミナが戻る | |
気道の自浄作用がよくなり、感染を起こしにくくなる | |
1年後 | 禁煙により高まった虚血性心疾患のリスクが半減する |
10~15年後 | 種々の病気にかかるリスクが非喫煙者のレベルに近づく |
7.禁煙すると体重が増える?
一時的に増えることはありますが、増え続けることはありません。
禁煙した約3分の2の人が、禁煙後一時的に2kg以上体重が増えると言われています。
これは、たばこで麻痺していた舌の感覚が改善されてごはんがおいしく感じられる、禁煙中は口寂しいので飴やガムをたくさんとる、ニコチンによって落ちていた代謝が活発になる等、様々な要因が考えられます。
でも、これはあくまで一時的な事であって、体重が果てしなく増え続けることはありません。
また、2kg程度の体重増加なら、たばこによる害に比べてはるかに小さいという報告もあります。
8.どうしてもたばこが吸いたいと思ったとき、我慢する自信がありません
「吸いたい」という気持ちが禁断症状なのです。
たばこを吸いたいという欲求は禁煙後の離脱症状としてあらわれます。ニコチン不足の脳がたばこを吸いたいと強く欲求する時間は、およそ3分間といわれます。その「3分の壁」さえ乗り越えられれば、吸いたい気持ちはおさまってきます。
また、禁断症状の強さは禁煙後3日以内にピークとなり、おおむね1週間、長くても2~3週間で消失します。禁断症状は<健康になっていく過程のひとつ>として前向きにとらえましょう。
※具体的な方法は「第2回 あなたはどの方法にしますか?5.禁断症状の対処法」をご覧ください。
9.禁煙すると集中力が落ちたりして仕事がはかどらないのではないかと心配です
あの手この手で対応しましょう!
集中力の低下や落ち着かない等の症状に悩まされるのは、禁煙開始から長くても2~3週間です。
あらかじめ仕事が忙しくない時期に開始するのもひとつの方法です。
また、ニコチンガムやパッチを適切に使うことで、禁断症状を和らげることができます。
10.たとえ禁煙してもまたすぐにたばこを吸ってしまいそうで心配です
禁煙の合言葉は「Trial&Error!」(トライ&エラー)
実際のところ、禁煙は一度で成功することはあまりありません。
平均でも3~5回チャレンジしているのが現状です。禁煙に成功した人は、失敗を重ねて、何度でもチャレンジした人が大多数なのです。
一度失敗したからもうできない、ということではありません。
また、禁煙仲間を作ることも成功率を高めるひとつの要素になります。
まわりの人をまきこんで何度でも禁煙にチャレンジしてみましょう。