被保険者や被扶養者(被害者)が自動車事故や、第三者の行為によってケガ等をした場合の治療費は本来、加害者が負担するべきもので、加害者は自賠責保険や自動車保険・個人賠償保険などの任意保険を利用して被害者の治療費を支払います。
しかし治療費が高額な場合や、両者の間で過失割合等の話し合いが進まず、被害者が治療費をいったん全額支払わなければならない場合があります。
このようなとき、健康保険組合へ「第三者行為による傷病届」を提出し、承認をうけると治療費をサンヨー健保が一時立替え、被害者は健康保険を使用することができます。(健康保険施行規則第65条)
サンヨー健保が一時立替えた治療費用は、加害者または加害者加入の自賠責保険や任意保険に請求することになります。
この請求額は、被保険者や被扶養者(被害者)と加害者との過失割合によって決定しますので、示談する内容を必ず健康保険組合に連絡してください。
治療費総額が100万円かかった場合
被害者が治療を受けた病院に健康保険組合が支払う額は70万円で、被害者の過失が0の場合は加害者への請求額は70万円となりますが、被害者の過失が30、加害者の過失が70で示談された場合、健康保険組合が加害者に請求できる医療費は49万円(70万円×70/100)となります。
この過失割合等の示談内容は大変重要です。
示談の内容によっては健康保険組合が加害者に対して医療費を請求できなくなることがあります。健康保険で治療を受けたときは示談する前に必ず健康保険組合に連絡してください。
すぐに提出できないときは、口頭や電話で一刻も早く健保組合に報告し、後日できるだけ早く正式な書類を提出してください。
車同士の事故で、どちらもがケガをした場合、どちらにも何らかの過失があることがほとんどです。
その場合、両人ともが加害者であり、同時に被害者となります。よってお互いに第三者行為が成立します。
健保組合に「第三者の行為による傷病届」を提出してください。
わき見運転等による自損事故によって同乗者がケガをした場合、運転者が加害者となり、第三者行為となります。したがって同乗者が健康保険で治療を受けた場合は必ず当健保組合に「第三者行為による傷病届」を提出してください。
また同乗者がいない単独事故等でケガをした場合はすみやかに「健康保険自損事故による傷病届」および「同意書」を提出し、承認を受けてください。
以下の書類を当健保組合にできるだけ迅速に提出してください。
交通事故証明は自動車安全運転センターが発行しています。警察への届出がないと発行されませんので、必ず警察へ「人身事故」として届け出てください。診断書を提出しないと「人身事故」になりません。
「物損事故」になると治療費が請求できない場合がありますのでご注意ください。
やむを得ず「物件事故」となった場合、「人身事故証明書入手不能理由書」が必要です。