特別な治療を受ける(保険外併用療養費)

保険外併用療養費について

保険が適用されない診療を受ける場合には、通常健康保険が適用される診療分も含めて、医療費の全額が自己負担となります。
ただし、保険が適用されない診療を受ける場合でも、厚生労働大臣の定める「評価療養」、「選定療養」については、保険診療との併用が認められており、通常の治療と共通する部分(診察・検査・投薬・入院料等)の費用は、通常の保険診療と同様に自己負担額を支払い、残りの医療費は「保険外併用療養費」として健康保険組合が負担します。

保険外併用療養費

保険外併用療養費は以下のような分野で構成されています。




高度先進医療と将来的に保険適用を検討する医療

  1. 医療技術に係るもの
    ・先進医療(現行の高度先進医療を含む)
  2. 医薬品・医療機器に係るもの
    ・医薬品の治験に係る診療
    ・医療機器の治験に係る診療
    ・薬価基準収載前の承認医薬品の投与
    ・保険適用前の承認医療機器の使用
    ・薬価基準に収載されている医薬品の適用外使用
患者申出療養
患者からの申し出を起点として、国内未承認医薬品等の使用や国内承認済みの医薬品等の適応外使用等を、迅速に保険外併用療養として使用できる医療



保険適用を前提としない患者が特別に希望する医療

  1. 快適性・利便性に係るもの
    ・特別の療養環境の提供
    ・予約診療
    ・時間外診察
    ・前歯部の材料差額
    ・金属床総義歯健康保険で受けられる歯科治療
  2. 医療機関の選択に係るもの
    ・200床以上の病院の未紹介患者の初診
    ・200床以上の病院の再診
  3. 医療行為等の選択に係るもの
    ・制限回数を超える医療行為
    ・180日を超える入院
    ・小児う蝕治療後の継続管理

【例】

総医療費が100万円、うち先進医療に係る費用が20万円だった場合

  • 先進医療に係る費用20万円は、全額を患者が負担します。
  • 通常の治療と共通する部分(診察、検査、投薬、入院料)は健康保険が適用されます。

健康保険適用分=80万円(10割)

→ 7割(未就学児等は8割)にあたる56万円が健康保険組合が負担します。
→ 3割(未就学児等は2割)にあたる24万円は患者の負担となります。

健康保険で受けられる歯科治療

歯の治療は原則医療費の3割(未就学児・高齢受給者(一般所得)は2割)を自己負担して健康保険による診療を受けられます。
ただし、健康保険で認められていない診療を受けたり、材料を使用した場合には自費診療となります。

健康保険で受けられる診療の範囲と内容

充てん 虫歯の穴をきれいにし、材料を詰めて元の形に修復する方法
[セラミック等を使うと自費診療になります。]
鋳造歯冠修復
(インレー等)
歯を削り、その型をとって模型上で詰めものを作って元の形に修復する方法
[セラミック、金合金や白金加金は自費診療になります。ただし前歯部に金合金、白金加金を用いた場合は差額だけ負担になります。]
前装冠 虫喰いの部分が大きくて、充てんやインレーでは回復できない場合、天然歯に類似した色調の材料で表面を覆う方法
[メタルボンド・ポーセレン(金属に陶材を焼付けたもの)等は自費診療になります。]
金属冠 臼歯のむし歯が大きくて充てんやインレーでは回復できない場合に治療してから金属冠を被せる方法。
[金合金や白金加金、硬質レジンやメタルボンド等は自費診療になります。]
継続歯
(つぎ歯・さし歯)
前歯や小臼歯等外から見える歯がひどい虫歯になった場合、人工の歯冠を継ぎ足して天然の歯に見えるように元どおりにする方法。
[16カラットを超える金合金、白金加金等は自費診療になります。ただし、前歯の治療に用いた場合は差額負担。]
ジャケット冠 天然の歯に類似した色調をもつ材料だけで歯冠部の全表面を覆う方法
[ポーセレン、ガラスセラミックは自費診療]
ブリッジ なくなった歯に隣接する歯を削って被せ、それを土台に人工の歯を固定装着する方法
[金合金や白金加金、メタルボンド・ポーセレン等は自費診療になります。]
有床義歯
(入れ歯)
取外しのできる入れ歯。部分的に歯がない場合の部分義歯と、歯が全部ない場合の総義歯とがある。
[全体の構造を金属で作るクラスプは14カラットを超える金合金や白金加金、また歯に固定する装置の種類により自費診療になります。ただし、金属床による総義歯は差額だけ負担になります。]