タバコの煙の中には4000種類の化学物質が含まれており、その中の200種類以上は有害物質(毒物)と言われています。また、発癌物質は現在わかっているだけでも50種類以上含まれています。
タール、ベンゾピレン、カドミウム、ニッケル、ポロニウム210、ジメチルニトロサミン、ベンゼン等
たばこは、たばこの中に含まれるニコチンによる体の依存(身体的依存)とたばこを吸うという習慣の依存(心理的依存)があります。
ニコチンによる体の依存(身体的依存)は、禁煙すると2日ほどで体の中から抜けていきます。なかなかやめられないのが習慣としての依存(心理的依存)です。
仕事や私生活でイライラしたり、落ち着かない時、たばこを吸ってしまうのはなぜでしょう?
酒の席で皆でお酒を飲んでいるだけで楽しいはずなのに、たばこを吸ってしまうのはなぜでしょう?
食後、十分に満腹で満足なのに物足りなさを感じて、たばこを吸ってしまうのはなぜでしょう?
子どもの頃はどうでしたか?イライラしているときでも食後でもたばこをすわなくてもOKでしたよね。
どうしてたばこなしではいられなくなってしまったのでしょうか?
実は喫煙者はたばこなしでは、幸せを感じにくくなっているのです!!喫煙者はたばこを常習的に吸うことで、脳波の中のα波(リラックス、癒しの効果、調子 がいい、心地よいと感じて時に出る脳波)が低下しやすく、幸せを感じにくくなっています。それを補うためにたばこを吸い、脳波をもとに戻そうとするので す。それがたばこを吸うとスッキリしたとか集中力が増したという感覚になります。
そして、そのスッキリした感覚が鮮明に頭の中に焼きつき、あたかもすべてのストレスにたばこが効くという錯覚に陥ってしまうのです。
本当はたばこが作り出している喫煙できないことによるストレスにのみ効いているに過ぎないのにね!
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読むとたばこに関する考え方が変わったり、禁煙による離脱症状が軽くなる人もいます。意思が弱いからと禁煙を諦めている方には必見です!
喫煙と関連があると言われている病気は、がん、歯周病、消化性潰瘍、血圧上昇、動脈硬化、COPD(慢性閉塞性肺疾患)、精子の異常、インポテンツ、流産・早産、低体重児出産等たくさんあります。
妊婦がたばこを吸うと、ニコチンや一酸化炭素の影響により胎盤の血流が減少するため、胎児への酸素や栄養の補給が低下します。この状態は、受動喫煙によっ ても起こります。その為に、生まれてきた子どもは、低身長・低体重の子どもが多いことがわかっています。また、それ以外にも先天異常(口唇・口蓋裂、先天 性心疾患 等)の頻度が増加します。
たばこを吸うことによる女性自身の体への影響は、不妊になる危険性が高まることや、卵巣機能を著しく低下させるため月経不順や無月経になることも指摘されています。
健康への影響以外のたばこの側面についてお話したいと思います。
世界保健機構(WHO)は、2004年5月に「たばこと貧困:その悪循環から逃れよう」というテーマで報告書を発表しました。
まず、たばこ栽培農家に対する被害です。
たばこというのは農薬を沢山使用する作物で、使用する農薬の量は、全農作中第3位(ちなみに1位はコットン)です。低所得国でたばこは作られ、作っている 人はいやおうなく大量農薬を浴びています。またこれ以外にもたばこを乾燥させる工程から出る有害物質のために、グリーンタバコシックネス(たばこの葉のニ コチンを直接肌から吸収し、吐き気や嘔吐を起こし、血圧や心拍数を不安定にする病気)の被害を受けます。
低所得国の栽培農家では、その収益よりも健康被害の方が大きいのです。たばこの消費量を縮小すると、その農家の人たちの生活が成り立たなくなるという議論 もありますが、世界銀行のレポートによると、永続的な失業は発生せず、世界全体の経済によい影響を与える側面が報告されています。
次に環境破壊の側面を持ちます。
たばこの栽培地域のそのほとんどは発展途上国です。たばこは生産過程でその葉を乾燥させる必要があり、その際のエネルギーとして、多くの薪が使用されます。
たばこ1gに対して丸太が1本必要とされており、たばこ乾燥用の薪として毎年東京都の面積と同程度の森林が伐採されており、森林喪失が進む大きな原因になっています。
最後に、たばこは途上国の貧困とも結びつきます。
バングラディシュでは、親がたばこを購入するために子どもたちの食費が削られ、子どもたちの栄養不足が大きな問題になり、毎日350人の子どもが飢えで死んでいるという報告がありました。
これは“我が子よりもたばこを取る”という、ニコチン依存症の怖い側面を伺い知ることが出来ます。
たばこによる害は何も喫煙家のみではありません。
喫煙家の皆さんは、この事実を是非知ってください。
たばこを吸う事によって、これだけの影響があります。それでもあなたはたばこを吸い続けますか?
次は、「禁煙のすすめ」として、禁煙の取り組み方や効果をご紹介します。