第2回 食事嗜好特集

毎日の食事内容が偏ると大変なことに!
食生活を見直すきっかけにしてください。

第2回は「食事嗜好特集」がテーマです。

普段皆様がどのような食事をとっているのかということを、健康調査からわかった範囲でお伝えしたいと思います。

今回は「よく食べる」「あまり食べない」の基準を明確に規定していませんので、あくまでも主観的に自分の食べているものをどのように思われているかということをお聞きしました。

健康調査結果

①カップ麺をよく食べますか?

カップ麺をよく食べますか?アンケート結果この結果から、男性で4割弱、女性で2割の人がカップ麺をよく食べているようです。
カップ麺は非常に手軽に食べられますし、最近はたくさんの種類がありますので食べるのが楽しみな面もあります。
しかし、カロリーの割にビタミンやミネラル、たんぱく質はほとんど含まれていないうえ、塩分が非常に多く含まれています。 また、加工食品には*リン酸塩が含まれており、取り過ぎると鉄分の吸収を妨げたり、カルシウム不足の原因になります。
できるだけ避けた方が望ましいですが、どうしても食べたい場合は1~2週間に1回程度にとどめ、他の食事で栄養バランスをとるように心掛けてみましょう。

リン酸塩

食品添加物として、粘着剤、安定剤、膨張剤、pH調整等の目的で食肉加工、チーズ・冷凍すり身、漬物等、様々な食品に使われています。 リン酸塩は骨や歯の形成に必要ですが、血液中に多くなるとカルシウムと結合して腸内に沈殿しやすくなり、カルシウムの吸収を妨げます。

②塩分の多い食べ物をよく食べますか?

塩分の多い食べ物をよく食べますか?アンケート結果男性は半数以上の方が、女性でも4割弱の方が塩分の多い食事を好んで食べているようです。
外食の多い場合は必然的に塩分も多くなりますし、また地域によっては味の濃い食品が普段の食卓に並んでいる場合もあるのではないでしょうか。
特に日本は醤油や漬物を多く食べるので、諸外国に比べ塩分を多く摂る傾向にあります。 厚生労働省では1日10g未満を目標に挙げていますが、実際は11~13gも摂っています。 WHOでは1日6gを推奨していますので、いかに日本人が塩分を摂り過ぎているかがわかりますね。
塩分の摂り過ぎは、高血圧の大きな原因の一つになったり、女性の場合は妊娠中毒症の原因にもなります。

主な食品1食分に含まれる食塩量の目安
主な食品1食分に含まれる食塩量の目安表

塩分を控えて頂く事はもちろんですが、塩分(ナトリウム)を排泄する作用のあるカリウムを沢山含む食品を取ることも減塩方法の一つです。

カリウムの豊富な食品
カリウムの豊富な食品

高血圧と塩分の関係

もっと詳しく知りたい方は関連ページをご覧ください。

③油っこい食べ物をよく食べますか?

油っこい食べ物をよく食べますか?アンケート結果塩分と同程度に油っこい食べ物を多くとっている傾向があるようです。
脂肪摂取の基準は、カロリー全体の20~25%以内とされていますが、平成11年の国民栄養調査では、男女とも若い人ほどそれを上回っているという結果がでていました。
脂肪の摂り過ぎは動脈硬化や肥満の原因にもなりますので、「よく食べる」と答えられた方は少し控えめにしましょう。

脂肪について

もっと詳しく知りたい方は「脂肪について」をご覧ください。

  • 不飽和脂肪酸って何?
  • 脂肪・脂肪酸の上手な摂り方
  • 油の栄養と健康問題のいろいろ
  • おわりに

④肉類をよく食べますか?

肉類をよく食べますか?アンケート結果全体的に肉をたくさん食べる傾向が高く、よく食べると回答された方は全体の7割でした。
魚に比べ調理しやすい、満腹感が得やすい等、良い面ももちろんありますが、肉類を沢山取りすぎると、高脂血症や痛風、大腸がん等の原因となる可能性が高くなります。
極端に減らす必要はありませんが、取り過ぎているという気持ちを常に持って頂き、食事を選ぶ時は肉より魚や大豆製品を心がけましょう。
また、肉を食べる時も、脂肪を減らす意味から脂肪分の少ない部位にしたり、脂身を残す等、少しでも工夫されることで、脂肪の摂りすぎを減らすことができます。

100gあたりの部位別脂肪量
100gあたりの部位別脂肪量

⑤野菜・海藻類をよく食べますか?

野菜・海藻類をよく食べますか?アンケート結果男女とも野菜や海藻類をよく食べる方が6割前後いる一方で、あまり食べない方が3~4割いらっしゃいました。
野菜や海藻類には、体を動かすために必要なミネラル分や食物繊維が豊富に含まれていますし、野菜に含まれるビタミン類は体に様々な良い働きをしてくれます。
これらが不足すると、以前は壊血病や脚気等が見られていましたが、現代では集中力がない、イライラする、肌荒れを起こしやすい等、病気ではないけれども調子が悪くなる原因となってしまいます。
「健康日本21」では1日に摂る野菜の目標を350gとしています。
お刺身のツマや付け合せのにんじん等、1回に少しでも構いませんので積極的に摂るように心掛けてみてください。

ファイトケミカルについて

野菜に多く含まれているファイトケミカルは、体の老化を防ぎ、免疫力を高めてくれます。
ファイトケミカルについてもっと詳しく知りたい方は関連ページをご覧ください。

⑥甘い食べ物をよく食べますか?

甘い食べ物をよく食べますか?アンケート結果男女差がほとんどなく6割弱の方が甘いものをよく食べています。
甘い食べ物は、疲れた時やホッとしたい時の清涼剤(癒し)ではありますが、糖分の取り過ぎはエネルギー過多になりやすくなりますので、肥満や糖尿病を引き 起こす可能性が高くなります。また、カルシウム不足や集中力の低下等もおこってきます。
糖分はお菓子等、甘いものだけではなく、食事(ご飯や煮物 等)や飲料にも含まれていますので、これらを総合的に考え、摂り過ぎないように気をつけたいものです。

⑦1日に飲む清涼飲料水や糖分入り飲料は?

1日に飲む清涼飲料水や糖分入り飲料は?アンケート結果1日に2本以上飲む方が、特に男性に多く7割おられ、中には缶コーヒーを1日に10本以上飲むという回答もありました。
特に夏場は喉が渇きますので、冷たいジュースは口当たりがよく沢山飲んでしまいがちですが、その中には驚くほどの糖分が含まれています。
例えば、スポーツドリンク500mlで33g(スティックシュガー11本)、果汁入り飲料でなんと51gも入っています。カロリーはご飯1杯分と同じ程度です。
糖分の摂り過ぎ、カロリーの摂り過ぎが心配されますので、清涼飲料水は1日1本にとどめ、あとはミネラルウォーターやお茶等、糖分の含まれていないもので水分補給をするように心がけましょう。

まとめ

第1回テーマ「食のスタイル」の中でとりあげられていたように、栄養バランスを考えて食事をしている方が少ないようです。
当グループでは、平均年齢33歳と比較的若い方が多いので、今の時点では健康面での大きな問題にならないかもしれませんが、このような生活を10年20年と続けた結果、糖尿病や高脂血症などの生活習慣病が身近に迫ってくる事になります。 おなかを満たすだけの食事ではなく、体にやさしい食事を心がけてみましょう。
まずは、自分の普段の食事内容に意識を向けるところから始めてみませんか。

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