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広報誌「かけはし」

令和7年度 第2回 大阪連合会総会

8年度事業計画・予算を決定

久保俊裕
大阪連合会会長

健保連大阪連合会は3月25日、大阪市北区のホテルモントレ大阪で、令和7年度第2回総会を開催した。総会には大阪連合会の全171組合が参加(当日出席:129組合、委任出席:42組合)。大阪連合会の令和8年度事業計画、同予算などを審議、承認した。

総会では、はじめに大阪連合会の久保俊裕会長があいさつに立った。久保会長は、これからの健保組合を取り巻く厳しい状況を「昨年、すべての団塊の世代が後期高齢者となり、高齢者医療への拠出金負担がさらに重くなることが想定される。国民皆保険制度を守るため、世代間の給付と負担のアンバランスを是正して公平性を確保し、全世代で負担を分かち合う制度へ転換しなければならない。2月26日、超党派の社会保障国民会議が発足したが、国民皆保険制度の持続安定の確保や、給付と負担の在り方など、高市総理が所信演説で述べた重要課題に早期に取り組んでもらいたい」と述べた。

そのうえで、「健保連として国民に医療保険を取り巻く厳しい環境や健保組合の取り組みについて理解していただくため、「ポスト2025」健保組合の提言を発表した」と報告。そして「健保組合と健保連がより一層連帯を強め、全力を挙げてこの難局に立ち向かっていく」とまとめた。

山内聡
保険課長

続いて、来賓として出席された近畿厚生局の山内聡保険課長があいさつした。

山内課長はそのなかで、「マイナ保険証について様々な取り組みにご尽力いただいたことに感謝申し上げる。医療DXの基盤となるマイナ保険証については、これまで以上に多くの国民にご利用いただき、メリットを実感していただきたい。引き続きのご協力をお願いしたい」とした。また、実地指導監査については、8年度も今年度と同様に実施する。1点お願いとして、事前提出資料は可能な限り電子媒体での提出を依頼したいため、ご理解とご協力を求める。諸事情により紙媒体での提出を希望の場合は、ご照会をお願いしたいなどの報告があった。

この後、議事に入り久保会長が議長となって、大阪府農協健保組合、大末建設健保組合の2組合を議事録署名者に指名した後、議案の審議を行った。

佐野雅宏
健保連会長代理

総会終了後には、来賓として出席された健保連本部の佐野雅宏会長代理から、中央情勢報告があった。佐野会長代理は、税制改正と社会保障財源について説明。給付付き税額控除の議論が加速しているが、その財源確保が最大の懸念事項であるとした。また、医療保険制度改革の具体的動向として、高額療養費制度の見直し、出産費用の保険適用、高齢者負担の是正を挙げた。出産費用の保険適用については、令和10年度初頭の実施を目指した法案が提出されたが、地域差や個別性の高い分娩費用の標準化など、課題は多い。8年度・9年度の診療報酬改定の影響としては、健保連本部の見込みで保険給付費は約2%アップする。拠出金への影響は精算の関係で10年度ごろに大きく現れる見通しであり、賃上げ効果はあるものの、健保組合財政は引き続き楽観視できない状況が続く。最後に、健保連本部の新たな取り組みとして、生成AIによる業務変革や、新提言の推進についての説明があった。

○総会の経過

議案第1号

令和8年度事業計画(案)

こちらに概要掲載

議案第2号

令和8年度収入支出予算(案)

こちらに概要掲載

議案第3号

令和8年度支出予算の款内各項間の流用を理事会に委任すること

以上の3議案を一括上程し、いずれも原案どおり承認された。

議案第4号

令和7年度被用者保険運営円滑化推進事業会計収入支出予算および同説明(案)

以上、原案どおり承認された。

Ⅰ健康保険組合をめぐる諸情勢

(1)医療・介護保険制度を取り巻く諸情勢

令和7年5月8日、健保連は「令和8年度政府予算概算要求に向けた個別要望事項」をまとめ、厚生労働省に提出した。高齢者医療への拠出金の負担増で健保組合はさらに厳しい財政運営を強いられるとし、財政支援・負担軽減措置を要望。重点要望事項として、後期高齢者・現役並み所得者の給付費への公費投入、高額医療交付金交付事業に対する財政支援の拡充、出産・子育て対策、医療DX推進など国の施策推進に貢献する健保組合の取り組みへの財政支援を要望した。

同年6月13日、政府は「経済財政運営と改革の基本方針2025(骨太の方針2025)」と「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画2025年改訂版」を閣議決定した。骨太の方針2025では、予算編成について、令和9年度までの間、骨太の方針2024で示された歳出改革努力を継続しつつ、日本経済が新たなステージに移行しつつあることが明確になるなかで、経済・物価動向等を踏まえ、各年度の予算編成において適切に反映する。とりわけ社会保障関係費については、医療・介護等の現場の厳しい現状や税収等を含めた財政の状況を踏まえ、これまでの改革を通じた保険料負担の抑制努力も継続しつつ、令和7年春季労使交渉における力強い賃上げの実現や昨今の物価上昇による影響等について、経営の安定や現場で働く幅広い職種の方々の賃上げにつながるよう、的確な対応を行うと示された。

同年11月27日に衆議院本会議において、「医療法等の一部を改正する法律案」が、一部修正が加えられた上で賛成多数で可決、12月5日の参議院本会議で可決、成立した。重点的に医師を確保すべき区域を定め、保険者からの拠出による当該区域の医師の手当に関する事業を設けるとし、施行は、公布後3年以内に政令で定める日とした。なお、附帯決議において、社会保障改革を進めていくなかで現役世代の保険料負担を抑えるとの方針の下、当該事業により保険料が上昇しないよう保険給付と一体的に対応を図ることとした。

同年12月24日、厚生労働大臣と財務大臣との令和8年度予算編成に向けた大臣折衝が行われ、社会保障関係費について、令和7年度から自然増のうち1500億円を圧縮した7600億円程度の増加を認め、過去最高の39兆559億円とすることで合意した。

同年12月26日、政府は医療保険制度改革を含む政府予算案を閣議決定した。健保組合関係助成費は、一般会計分が1527億円と決定された。このうち、健保連が行う高額医療交付金事業に対する財政支援が令和8年度から時限的に支援が拡大し300億円、高齢者医療支援金等負担金助成事業など拠出金負担増を軽減するための財政支援が1150億円計上された。診療報酬は、本体が2年度平均で3.09%引き上げられ、物価高や賃上げの先行きを考慮し、令和8年度は+2.41%、令和9年度は+3.77%と年度ごとに変動させる異例の措置が取られた。

一方、介護報酬は、物価高騰と賃上げへの対応のため、次期介護報酬改定を待たずに期中改定が実施され、2.03%引き上げることとされた。

(2)健保組合(大阪)の財政状況

令和6年度決算では、経常収支が19億円の黒字を計上したが、全体の49%に当たる82組合は赤字であった。収支については、法定給付費は前年度より78億円(1.54%)増加となったが、30数年ぶりの高い賃金上昇の影響や、保険料率の引き上げにより、保険料収入が前年度より489億円(5.27%)増加し改善した。一方、保険料率の平均は、前年度より0.54ポイント上昇し93.23‰となり、協会けんぽの平均である100‰以上の組合は、前年度と同じ49組合、全体の29.5%であった。

昨今の健保組合を取り巻く情勢は効果的、効率的な医療提供体制の構築・医療DXの推進・少子化対策など極めて流動的で、変化の波が大きくなってきている。高齢者医療への拠出金負担の急増が見込まれるなかで、現役世代の過重な負担を軽減し、財政健全化を図るためには世代間の給付と負担の不均衡の是正による公平性の確保がますます必要となる。また、増大する医療費の適正化対策として、事業所とのコラボヘルスの実施による第3期データヘルス計画の推進、レセプト点検の強化、療養費の適正化、後発医薬品等の使用促進、マイナ保険証の利用促進など、きめ細かく取り組んでいくことが求められている。

(3)大阪連合会の事業等

大阪連合会では、各地区会をはじめ、理事会・各委員会において、議論を重ねて、当面する課題に取り組んでいる。

本年度は、引き続き各関係団体と連携しながら、国民皆保険制度を守り抜くため広く国民に理解していただくよう積極的に活動を展開していくこととし、主張の実現に向けた活動も含め、次の事業計画に基づき、所期の目的を達成すべく、事業活動を実施する。

〔基本方針・活動〕

(1)重点事業活動

『「ポスト2025」健康保険組合の提言』の趣旨を踏まえ、次なる改革に向けた健保組合・健保連の主張実現および保険者機能の強化に向け、会員組合の協力を得ながら健保連本部との連携を密にして、下記事項について取り組む。

①理事会・委員会・地区会活動を積極的に推進する。

②健保組合・健保連の主張実現に向け、政党・国会議員への効果的な要請活動を展開する。

③広報誌「かけはし」やホームページなどを通じた広報活動により、健保組合・健保連の主張や活動を広く周知し、理解の促進を図る。

④第3期データヘルス計画・コラボヘルスの推進に向けて、保険者機能強化への支援を行うとともに、健康経営・健康宣言の普及促進を図る。

⑤医療DXの基盤となるマイナ保険証の利用率向上を図る。

⑥健保組合全国大会への積極的な参加を推進する。

⑦健保組合の円滑な運営のため、行政機関と密接な連携を保つ。

⑧関経連、連合大阪、協会けんぽ大阪支部との連携を図る。

⑨医師会等医療関係団体とは意見交換を通じて相互理解を深める。

⑩大阪府保険者協議会では、医療費の適正化・有効な保健事業・地域医療構想の取り組みについて、健保組合・健保連の意向を反映させる。

⑪国保運営協議会では被用者保険サイドの意向を反映させるよう、積極的に参加する。

⑫近畿地区各連合会等と連携強化を図り、地区共同事業を推進する。

⑬他府県の健保組合も加えた研修事業等に取り組み、連帯感を醸成する。

⑭組合運営サポート事業など、時宜に応じた諸対策を実施する。

(2)組織活動

組織活動の強化を図り、下記事項を実施する。

①理事会および総会を開催する。

②地区会長会議、各種委員会等を開催する。

③地区会を中心とした諸活動を支援する。

④主張の実現に向けたシンポジウム等を開催する。

(3)組合運営に対する支援活動

会員組合の円滑な業務推進に資するため、下記事項を実施する。

①会員組合専用サイトを通して、効率的に情報の提供や共有を図る。

②組合予算編成や実地指導監査等の事務説明会を開催し、行政機関および健保連本部と連携を密にして会員組合を支援する。

③永年勤続者の表彰を行う。

④会員組合の保健事業、医療費適正化対策の推進を支援する。

⑤会員組合の法律、レセプト・保険給付、特定健診・特定保健指導等の相談事業を実施する。

⑥研修会等の開催にあたっては、集合形式のみならずオンライン形式との組み合わせや、動画配信等により実施し、参加しやすい環境を構築する。

〔事業活動〕

1.広報活動の推進

広報活動の充実を図るため、次の事業を実施する。

(1)広報誌「かけはし」の発行

①月1回発行する。

②次の項目を重点的に掲載する。

  • 医療保険制度改革関連(全世代型社会保障構築に向けた改革、健保組合方式の維持・発展等)
  • 医療費適正化関連と健康づくり関連
  • 大阪連合会の事業活動
  • 会員組合の財政状況と地区会の事業活動
  • 政党、国会議員への要請活動
  • 主張実現に向けたシンポジウム等

(2)広報活動の強化

会員組合の事業推進に役立つよう、次の活動を強化する。

  • ホームページの充実
  • 広報資料の提供

(3)関係団体等に対する広報の強化

次の関係団体等への広報誌の配布を通じて、健保組合・健保連の主張と事業活動への理解の浸透を図る。

  • 国会議員(大阪府選出および社会保障関係)
  • 経営者団体、労働団体および医療関係団体
  • その他必要な関係者

2.会員組合役職員のスキル向上と組合業務の改善・効率化の推進

会員組合の円滑な事業運営を支援するため、次の事業を実施する。

(1)会員組合役職員のスキル向上

①事務長・中堅職員等の研修会を開催する。

②組合業務別の実務講習会を開催する。

③個人情報保護研修会を開催する。

④健保事務相談を実施する。

(2)組合業務の改善・効率化の推進

①情報セキュリティ講習会を開催する。

②パソコン研修会を開催する。

(3)保険者機能の強化推進

データヘルス・コラボヘルスに関する研修会等を開催する。

3.医療費適正化対策の推進

医療費の適正化対策を推進するため、次の事業を実施する。

(1)行政機関・医療関係団体等との連携強化

①近畿厚生局・医療関係団体等との連携を図る。

②大阪府保険者協議会医療費調査部会との連携を図る。

③国保運営協議会委員への活動強化を図る。

(2)審査支払機関との連絡・調整の緊密化

事務連絡協議会を開催し、審査支払機関の事業全般や審査結果事例等について意見交換を行う。

(3)医療費適正化に関する情報の収集と活用

①関係各方面からの情報収集および情報提供の促進を図る。

②柔道整復等療養費に関する情報の収集を行い、適正化の促進を図る。

③医薬品の適正使用の促進を図る。

(4)レセプト点検等に関する研修会の実施

①求償事務に関する研修会を開催する。

②レセプト点検事務に関する研修会を開催する。

③現金給付に関する研修会を開催する。

(5)医療対策室の活動強化

レセプト・保険給付相談および法律相談を実施する。

4.保健共同事業の推進

会員組合における保健事業の実施を支援する。

(1)健康教育の実施

生活習慣病予防対策に加えて、がん予防・メンタルヘルス等をテーマに研修会を開催する。

(2)保健師活動の実施

①保健師による特定保健指導の円滑な実施の支援や相談事業を実施する。

②保健師のスキル向上に資する研修会等への参加を支援する。

③保健師連絡協議会の活動を支援する。

(3)行政機関等との連携強化

①大阪府健康医療部健康推進室健康づくり課との連携を図る。

②大阪府保険者協議会保健活動部会との連携を図る。

(4)感染症対策

新型コロナウイルス感染症やインフルエンザ、ノロウイルスによる感染性胃腸炎など、感染症対策の普及啓発に努める。

(5)運動施設等との契約

健康増進に寄与する運動施設(プール、アイススケート、スポーツクラブ等)の利用券や法人契約の斡旋を行う。

(6)健康づくり活動の推進

①生活習慣や生活環境が健康に及ぼす影響などの啓発活動に努める。

②健康経営・健康宣言の普及促進を図る。

③健康ウオーキング等、各種健康づくり活動を後援する。

5.総合組合の運営推進

総合組合の運営に資するため、次の調査・研究事業を実施する。

①総合組合の実態に関する調査資料を作成するとともに、財政状況を分析し検討する。

②第3期データヘルス計画の効果的な実施について検討する。

③医療費適正化対策について検討する。

④協会けんぽと財政状況等について比較・検討する。