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広報誌「かけはし」

時評

知者楽水

衆議院議員選挙での与党の圧勝により、2月18日に第二次高市内閣が組閣された。高市首相は社会保障の持続可能性を高めるため、全世代型社会保障の構築、なかでも負担と給付のバランスの見直しに本腰を入れ、また、データに基づく医療行政のメリハリ強化を進めるとともに、自己管理を主眼とした健康維持のための医療制度の構築により医療費を適正化することを表明している。さらに、「攻めの予防医療」として、健康寿命の延伸を図り、皆が元気に活躍し、社会保障の担い手になっていただけるように、予防に努め、疾病を発見し、早期に適切な機関等につなげることを進めるとしている。

健康保険組合は、データヘルス計画に基づき、加入者の健康増進を目的に、生活習慣の改善、重症化の予防や疾病の早期発見・早期治療を促すなどの保健事業を進めてきたが、様々な不安を持ちながら走ってきたと言えよう。

データヘルス計画は2015年度に第1期が、2024年度からは第3期が始まった。2023年には、エビデンスに基づく保健事業を推進すると示され、効果的な保健事業に向けたエビデンスが創出され始めており、2024年度から始まった第3期データヘルス計画では、標準化されたデータをもとに知見の体系化やより効果的・効率的な事業実施に向けたエビデンスの創出を目指すという流れとなっている。2025年の骨太の方針のなかでも、データを活用したエビデンスに基づく取り組みをその方針として表明している。

保健事業においては、まずは一次予防により生活習慣病に移行させないことが大切である。そのため、自助を促す取り組みを行い、加入者が健康を自己管理できるようになることをその目的としている。このような行動変容を起こすためには、自分のデータと将来のリスクが可視化され、行動することによる利益が腑に落ちるような伝え方が重要であろう。

この観点から、特定保健指導とその前後の健診データをもとに、各対象者の特定保健指導後の健診数値の変化を追ってみた。その結果、各人の変化の状況のみならず、特定保健指導の内容により、数値の変化に一定の傾向や特徴が見られた。  

保険者としては、この結果を加入者・事業主と共有して、自身の課題に合った指導を選び積極的に改善に取り組んでいただけることを期待する。今後も継続してデータを蓄積するとともに、その評価の方法についてもPDCAを通して信頼性を高めていきたい。

特定保健指導を開発・提供する企業においては、現在、被指導者の経年変化を把握することは難しいが、提供する事業の質向上の観点から、何らかの仕組みを構築できないだろうか。

疾病や医療費をコントロールすることは難しいが、一次予防(発症予防)や二次予防(重症化予防)の質を高めることで、その増加抑制の一助となることを期待する。

知者はどのような状況にも水のように立ち向かい、障害を乗り越え、めざす方向に進むことをやめない。そうありたい。

(T・K)