6月の理事会から
6月11日、定例の理事会を開催し、中央情勢報告を中心議題として審議した。
1.中央情勢
(1)適用拡大の円滑な施行のための特例措置への対応
改正の概要のなかで、健保組合に関係があるものとして、被用者保険の適用拡大等が挙げられる。適用拡大に伴い、保険料負担割合を変更することで労働者の保険料負担を軽減できることとし、労使折半を超えて事業主が負担した保険料を制度的に支援するというもので、施行期日は2026年10月1日。しかしその内情は、支援する財源を保険料から賄うということで、結果として保険料を分配する形となる。
これに対する健保連の対応方針は、特例措置の事務負担、財政負担ともに受け入れられないが、実施するのであれば事業主の事務負担等を考慮し、医療保険と厚生年金保険は同様の取り扱いとし、その財源は国が手当てすべきと考えるというもの。
(2)高額療養費制度の見直し
一旦は議論が止まった見直しについては、5月26日に第1回の専門委員会が開かれ、各ステークホルダーがそれぞれ意見等を述べた。そこで健保連は「長期にわたり治療を受けている方々の負担が過重とならないようすべき。一方で、医療費を支える財源は自己負担、保険料、公費の3つしかないことも確かである。給付を受ける側と負担する側のバランスをどう取るかを重点に置いて検討すべき」と主張した。
(3)妊娠・出産・産後における妊産婦等の支援策等に関する検討会
出産費用の保険適用を中心に議論されている。現状で整理された論点
①費用の見える化を前提とした標準的な出産費用の自己負担無償化と、安全で質の高い周産期医療提供体制の確保の両立
②希望に応じた出産を行うことのできる環境の整備
③妊娠期・産前・産後に関する支援等
――の3点。
今後は2026年度を目途に、産科医療機関等の経営実態等にも十分に配慮しながら標準的な出産費用の自己負担無償化に向けた具体的な制度設計が進められる。
(4)支払基金「レセプト審査業務における不適切行為」への対応
5月30日、支払基金に対する要請書(4月18日付)で行った質問に対し、文書にて回答があった。この回答を踏まえ、さらに質問を投げかけることとする。質問の内容は
①自動遷移ツールを使用したレセプトおよび相対的に確認の必要性が必ずしも高くない、目視による審査事務をしていないレセプトの実態および原因
②オフィスソフトの使用に関して回答文書にある再発防止策では、不十分であるため、さらなる再発防止策
――の2点。これら質問の回答への対応については、引き続き対応チームで協議を行い、7月2日開催予定の審査支払対策委員会にて対応の審議を行う。
また、本件に加えて従来からの対応予定事項である支払基金の決算剰余金の取り扱いについて等の審議もあわせて行う。
(5)その他
○国民皆保険を守る国会議員連盟 第9回総会
○第25回 外国医療問題研究調査団の概況報告
2.本部委員会報告
(1)企画委員会
6月9日に開催。議題は
①2025年度全国大会
②「ポスト2025」健康保険組合の提言の広報展開
―の2点。
3.大阪連合会活動
(1)広報委員会
5月20日に開催。かけはし6月号の編集概要について報告があった。
(2)報告事項等
川隅専務理事から、次の報告があった。
①7月23日㈬、大阪連合会の決算総会を開催。総会終了後には、健保連本部の伊藤常務理事から情勢報告、支払基金近畿審査事務センターから今後の組織についての報告を予定。また、総会の前段には、永年勤続者表彰式を挙行する。現在ご報告いただいている14組合、39名の方々に表彰をお受けいただく。
②11月15日(土)、「健康みらいトーク」を開催。今回は、近畿地区共同事業として健保連本部と連携して開催する予定。
内容は、一般市民を対象とした公開行事の講演とシンポジウム。
③協会けんぽにおける資格確認書の送付状況について。2025年7月から順次、被保険者の自宅へ送付することが決定している。