3月の理事会から
3月12日、定例の理事会を開催し、中央情勢報告を中心議題として審議した。はじめに、出席者の交代があった監事組合(髙島屋)の紹介があった。
1.中央情勢
(1)「ポスト2025」健康保険組合の提言
団塊の世代すべての方が後期高齢者となる2025年に向けて、ある程度の制度見直しは図られたが、現役世代の過重な負担は解決していない。少子化により現役世代が減少していくなかで、危機的な状況が深刻化していく。このような危機的状況を早急に打開し、大きく流れを変えなければ、将来に向けて国民皆保険制度を維持できなくなる。
これらを踏まえ、今回の提言をまとめるにあたり、新たな取り組みとして加入者・国民に向けてアンケートを行い、その結果も踏まえた内容とした。
本提言では、加入者(国民)に前記の危機感を共有していただくとともに、国、医療提供者、事業主それぞれにお願いしたいことを明らかにし、健保組合のこれからの取り組みについてまとめた。これらを通じて、健康で元気な社会を作ることへの貢献と、将来世代の負担軽減を目指す。
(2)医療保険制度改革関連
高額療養費の見直しについては、全面見送りとなった。本資料は、来年度予算案に向けての参考資料としてお持ちいただきたい。
被用者保険の適用拡大にかかる特例措置が検討されている。その内容は、
①国の定める負担割合を前提に、事業主が労使折半を超えて保険料を負担することができる
②従業員数50人以下の事業所等で働く短時間労働者が対象
③事業所ごとに適用期間は3年間
――となっている。また、特例措置を利用した事業主について、労使折半を超えて負担した保険料の一定割合を制度的に支援(保険料還付)する。さらに、手取り減少の緩和を事業主に、そして事業主負担の軽減を保険者に、という構造で、保険料還付の財源は公費ではなく保険料を使うことが想定されている。
これらに対し、当面の対応方針案として、
①特例措置の事務負担・財政負担ともに受け入れられないが、実施するのであれば、事業主の事務負担等を考慮して、医療保険と厚生年金保険は同様の取り扱いとすべき。また、その財源は国が手当てすべき
②公費による対応を求めていく(国会対応、法案附帯決議等)、事業主や健保組合の事務負担、財政負担を最大限軽減する方策・仕組みの検討
――を図る。
(3)支払基金「レセプト審査業務における不適切行為」への対応
現状、支払基金は上層部における責任を認めていない。再発防止策についても、なかなかはっきりとした結果は出ていない状況が続いている。
今後の対応として
①過去に適正な審査および審査事務が行われなかった目視対象レセプトが存在していることは重大な問題であり、対象レセプトの手数料について返還を求める方向で対応
②2025年度契約について、手数料単価は12月合意の内容で契約更新する。審査支払対策委員会での対応方針をもとに交渉を進めるが、合意できない部分が生じた場合、継続して交渉を進めることを双方で確認する形で対応
――とする。
2026年度契約については、審査の質に疑義が生じているため、審査の質を確保し、再発防止策の検証を踏まえて改めて検討する。
2.本部委員会報告
(1)保険者機能推進委員会
3月12日に開催。議題は
①健保組合の保健事業の取り組み事例紹介
②保険者機能強化に向けた取り組み
③2024年度における、2023年度からの繰り越し分の高齢者医療運営円滑化等補助金交付決定について
④医療DXを活用した保健事業の取り組み等に対する財政支援等
―の4点。
3.大阪連合会活動
(1)2025年度事業計画・予算案
大阪連合会の2025年度事業計画案ならびに予算案等が提案され、原案どおり承認された。
大阪連合会は2025年度も引き続き、全世代型社会保障構築に向けた改革への健保組合・健保連の主張実現および健保組合方式の維持・発展等に向け、会員組合の協力を得ながら健保連本部との連携を密にして取り組んでいく。
(2)各種委員会報告
2月6日に総合組合委員会、同13日に医療給付委員会、同17日に組合業務委員会、同18日に広報委員会、同19日に保健共同事業委員会を開催。
各委員会から、委員会所管の2025年度事業計画案が報告された。なお、広報委員会からは、かけはし3月号の編集概要についても報告があった。