けんぽれん大阪連合会

けんぽれん大阪連合会 会員組合員専用サイト 要認証
近畿地区連合会 専用サイト 要認証

広報誌「かけはし」

2023年度 指導・監査等の実施状況
保険医療機関等取り消し21件
― 対前年度比3件の増加 ―

厚生労働省は、2023年度の「保険医療機関等の指導・監査等の実施状況」をまとめた。23年度に保険医療機関、保険薬局の指定取り消し処分を受けたのは、取り消し相当を含めて全国で21件、対前年度比3件増。保険医等の登録取り消しは、取り消し相当を含めて全国で14人、対前年度比同数。指導・監査等の実施による返還金額は46億2338万円にのぼった。

日本の医療は、そのほとんどが保険診療である。医療機関や薬局は、厚労省の地方厚生(支)局長に保険医療機関等の申請をして、指定を受ける。医師、歯科医師、薬剤師も、登録の手続きにより、保険医等として保険診療に従事できる。

行政当局は、保険診療が常時適正に実施されているか指導・監査等を行う。極端で悪質な不正の場合には、保険医療機関等や保険医等を取り消す。処分を受けた医療機関等、医師等は処分期間中、保険診療ができない。処分前すでに廃止、登録抹消をしていても、「取り消し相当」として同様の取り扱いを受ける。

23年度の保険医療機関等の指導・監査等の実施状況をみると、保険医療機関等と保険医等、合わせて次のとおりとなっている。▽個別指導1464件 ▽新規個別指導6576件 ▽適時調査2748件 ▽監査46件。

監査の結果、取り消し・取り消し相当の処分を受けたのは、全国で保険医療機関等が21件、保険医等が14人だった。また、保険医療機関等取り消し21件のうち、不正発覚のきっかけとなったのは、保険者や医療機関従事者、医療費通知に基づく被保険者等からの情報提供によるものが18件で大半を占めた。

診療報酬・調剤報酬請求のうち、詐欺や不法行為にあたるのが不正請求。不正のおもな形態は次のとおり。

▽架空請求=実際に診療していない者に対し、診療したように請求 ▽付け増し請求=診療行為の回数・日数、数量、内容等を実際に行ったものより多く請求 ▽振替請求=実際に行った診療内容を、保険点数の高い他の診療内容に振り替えて請求 ▽二重請求=自費診療を行って患者から費用を受領しているにもかかわらず、保険でも診療報酬を請求 ▽その他の請求=医師数、看護師数等が医療法の標準数を満たしていないにもかかわらず、入院基本料を減額せずに請求―など。

指導・監査の結果、不正または不当請求が確認され、返還された金額は、46億2338万円にのぼった。内訳は、指導で13億5390万円、適時調査で31億9557万円、監査で7391万円となっている。