12月の理事会から
12月11日、定例の理事会を開催し、中央情勢報告を中心議題として審議した。はじめに、出席者の交代のあった理事組合(日東電工)の紹介があった。
1.中央情勢
(1)マイナ保険証利用促進に向けた広報展開
来年12月の保険証廃止に向けて、今後も国庫補助金を活用した周知広報事業の協力依頼が厚労省からあり、健保連としても取り組んでいく。
(2)マイナンバーカードと保険証の一体化に向けた取り組み
事業主が交付する資格証明書について、新たに取り扱いを整理。また、マイナンバーカードの自主返納者への対応について、将来的には返納者のみに絞り込んだリストをJ-LISから日次連携するため、環境構築の調整が行われる。
(3)2025年度医療保険者等向け中間サーバー、オンライン資格確認等システム、電子処方箋管理サービスの運営負担金
2025年度単価は対前年度比0.69円増の3.62円になると厚労省から要請があった。保険者としては当然厳しい財政状況であるが、新機能の運用への対応等やむを得ない面がある。新機能の活用効果をさらに拡大させるとともに、保険者の負担軽減に向けたさらなる取り組みを求めることで了承するとなった。
(4)高額療養費制度の見直し
11月21日の社保審医療保険部会において、健保連の佐野会長代理は、見直しには賛成である主張を展開。続く12月5日の同部会では、実効給付率の状況等を踏まえて引き上げ幅を見直すべき、高齢者の外来特例の廃止も含めた抜本的な見直しが必要であると主張した。
(5)被用者保険の適用拡大および「年収の壁」への対応
社保審年金部会、医療保険部会において示された主な論点は
①被用者保険の適用拡大
②複数事業所勤務者に対する被用者保険の適用等
③いわゆる「年収の壁」への対応
④標準賞与額の上限見直し
――の4点。年末までに議論が取りまとめられ、年明けの通常国会で審議予定。
(6)政党ヒアリングの状況
11月下旬から12月上旬にかけて自民党、公明党、野党に対して行っている。基本的な方針は現役世代の負担軽減が不可欠であるということ。また、2025年度政府予算、2024年度補正予算についても主張している。
(7)支払基金との2025年度契約交渉
前年度に比べて引き下げる方向で協議が進んでいる。ただ、レセプト件数の見込みに検討の余地があり、今後の交渉により、さらに引き下げる方向で決着する見立てが出ている。
(8)医師偏在是正に向けた被用者保険関係5団体の意見
11月29日に厚生労働大臣に提出。特に経済的インセンティブの財源に保険料を充当することについては、著しく妥当性を欠くため、今後の議論の中心になると思われる。
(9)「ポスト2025」新提言検討WGの取り組み状況
加入者(国民)に向けてはQ&Aの形で関心を呼んでPRを進める。これらのQ&Aを通じて、
①医療費の仕組み、厳しい状況についてもっと知ってください
②自分自身で健康を守る意識をもってください。健診をきちんと受けましょう
③軽度な体の不調は自分で手当てをするセルフメディケーションを心がけましょう
――の「3つのお願い」につなげていきたい。
2.本部委員会報告
(1)医療保障総合政策調査会
12月6日に開催。今年度の審議テーマは、医療機関に対する患者満足度調査の施行や高額医薬品の適正使用など。
(2)保険者機能推進委員会
12月9日に開催。議題は保険者機能強化に向けた取り組みや、2025年度健康開発協同事業計画案および予算案など。
(3)交付金交付事業委員会
11月26日に開催。議題は2025年度交付金事業、組合運営サポート事業対象組合選定基準。
(4)ICT委員会
11月26日に開催。議題は20255年度医療保険者等の中間サーバーオンライン資格確認等システム電子処方箋管理サービスの運営負担金など。
(5)組織等委員会
12月3日に開催。議題は都道府県連合会の助成金の予算案など。
3.大阪連合会活動
(1)広報委員会
11月20日に広報委員会を開催。かけはし12月号の編集概要について報告があった。
(2)報告事項等
川隅専務理事から、次の5点について報告があった。
①11月25日開催「あしたの健保組合を考える大会 PART8」に200名の参加をいただいた
②「全国カラダ年齢測定体験会」の1回目を12月10日に開催。次回以降も参加への協力を依頼
③「130万円の壁アンケート」について、急な依頼にもかかわらず110組合から回答いただいた
④「新年互礼会」を2025年1月7日(火)、ホテルモントレ大阪で開催予定
⑤2025年度の予算編成事務講習会は、健保連本部が2025年1月17日(金)の午後から配信予定