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広報誌「かけはし」

健康セミナー(オンデマンド配信)

7月8日、健康セミナーを開催。立命館大学 食マネジメント学部 教授 保井 智香子氏が「健康の保持増進のための食生活と運動習慣~スポーツ栄養学に基づいて~」をテーマに講演されました。(以下に講演要旨)

健康の保持増進のための食生活と運動習慣
~スポーツ栄養学に基づいて~

保井 智香子 氏

近年、我が国では健康寿命の延伸が健康増進の基本的な方向として挙げられています。日本人の死因は悪性新生物、心疾患、脳血管疾患が上位を占めており、これらは食事や運動など生活習慣が原因で発症リスクが高くなることがわかっています。

私たちの体を健康で保つためには、食事からエネルギーや栄養素を補給することが重要です。各栄養素は、私たちの体にエネルギー供給や筋肉の維持、骨格づくり、身体機能の調節をする働きがあります。主食(ご飯・パン・めん類など)からは炭水化物、主菜(肉類・魚類・卵などのおかず)からはたんぱく質や脂質、副菜(野菜やきのこ類などのおかず)からはビタミンやミネラル、食物繊維、さらに果物や牛乳・乳製品からは、炭水化物やビタミン、ミネラルを補給することができます。そのため、毎食、定食型のような食事で主食・主菜・副菜に果物や牛乳・乳製品を揃えて、バランスよく食べることが大切です。単品の食事ではサンドイッチや五目麺など、一品料理の場合は具沢山なメニューや、丼ものにはサラダなど野菜の小鉢を1品、追加していただくと野菜の摂取量も増え、栄養価がアップします。

また、生活習慣病の予防には、適正体重を保つことが大切です。自身の身体活動量に合わせたエネルギー摂取量が重要になります。食生活では、脂質は1g約9kcalのエネルギー量を持っていますので、過剰なエネルギー摂取に気をつけるためには、揚げる・炒めるよりも蒸す、焼く、煮るなどの調理方法を選択するとよいでしょう。さらに、炭水化物の摂りすぎにも注意が必要です。スポーツの場面では、炭水化物の摂取がエネルギー源となるグリコーゲンの貯蔵に大切になりますが、エネルギーをあまり使わない場合は過剰に摂ると体脂肪合成につながります。そのため、丼にめん類、パスタにパン、焼きそばとご飯などの主食の重ね食べは身体活動量とのバランスを大切にしましょう。

次に、健康づくりのための有酸素運動では、運動しながら隣の人とお話できるくらいのしんどさの「楽である」から「ややきつい」くらいの運動強度が目安です。1日30分程度の有酸素運動を行うとよいでしょう。また、ストレッチ体操と筋力トレーニングも大切です。ストレッチ体操は体の動く範囲(可動域)を広げてくれます。筋力トレーニングは自分の体重を利用したエクササイズや、ダンベルやゴムチューブを利用したエクササイズなどで筋力の維持・向上につながります。健康寿命の延伸には運動器の健康維持も大切になりますので、有酸素運動だけではなく、ストレッチ体操や筋力トレーニングも行うようにしましょう。

健康寿命の延伸には、適正体重を保ち、バランスのとれた食生活と運動習慣が重要です。まずは、自身の生活習慣を振り返り、できることから少し取り組んでみましょう。