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広報誌「かけはし」

2024年度 健保組合(全国)予算早期集計
高齢者医療拠出金3兆8774億円
対前年度比4.59%増、団塊の世代が75歳到達の影響

健保連はこのほど、2024年度予算(早期集計)概要をまとめた。全国に1379ある健保組合のうち、予算データの報告があった1353組合の数値をもとに推計した。経常収支は6578億円の赤字となり、前年度予算に続き2年連続の大幅な赤字。赤字を計上した組合は86.58%。高齢者医療等への拠出金合計は、対前年度比1701億円(4.59%)の増加。

経常赤字6578億円 1194組合が赤字

2024年度予算(早期集計)概要は、今年4月1日現在、全国にある1379健保組合のうち、24年度予算データの報告があった1353組合の数値をもとに、全組合の数値を推計した。それによると、24年度予算は経常収入9兆0053億円、経常支出9兆6631億円で、差し引き6578億円の赤字となっている。

前年度予算との比較では、経常収入は3891億円(4.52%)増加したが、経常支出が4848億円(5.28%)の大幅な増加となった。このため、赤字組合は前年度から103組合増加し、全組合の86.58%にあたる1194組合が赤字を計上している。赤字を計上した組合における赤字総額は、対前年度比814億円増の6841億円となる見通し。

一方、黒字組合は前年度から104組合減少し、全組合の13.42%にあたる185組合となり、黒字総額は対前年度比142億円減の264億円。

被保険者数が18万2466人(1.09%)増加して1686万6761人、保険料収入が3811億円(4.48%)増加して8兆8851億円となるなど、収入の増加を見込んだ。

法定給付費は2861億円(6.11%)増の4兆9668億円、高齢者医療等への拠出金合計は1701億円(4.59%)増の3兆8774億円となった。

このほか、おもな適用状況では、被扶養者数は26万8397人(2.30%)減の1139万3147人。被保険者1人あたり平均標準報酬月額は7246円増の39万1372円。同賞与額は3万4351円増の119万7287円となっている。

高齢者医療への拠出金、4.59%の増加

拠出金の内訳は、後期高齢者支援金が2兆2769億円(対前年度比835億円、3.81%増)となった。前期高齢者納付金は1兆6003億円(同866億円、5.72%増)。義務的経費(法定給付費+高齢者医療等拠出金)に占める拠出金の割合は43.8%となった。なお、負担割合が50.0%以上の組合は全体の17.66%の239組合。

高齢者等拠出金が増加した主な原因は、団塊の世代が75歳に到達する影響により、後期高齢者支援金が増加したことで、今回の増加につながったと推測される。

なお、保険給付費は対前年度比2945億円(6.16%)増の5兆0756億円を見込み、保健事業費は同81億円(1.77%)増の4664億円を計上した。

平均保険料率9.32%

調整保険料率を含んだ平均保険料率は、前年度より0.05ポイント上昇して9.32%となった。また、保険料率を引き上げたのは150組合。この結果、協会けんぽの平均保険料率(10.00%)以上の組合は333組合となった。なお、収支均衡に必要な財源を賄うための実質保険料率は、平均保険料率を0.95ポイント上回る10.27%となる見通し。(※報告1353組合ベース)

介護保険関係

介護保険分の予算概要をみると、回答があった1353組合ベースで、平均保険料率は前年度とほぼ同率の1.78%。1人あたり保険料負担額は、同1842円(1.6%)増の11万7949円となった。

また、集計対象の1353組合のうち、保険料率を引き上げたのは116組合であり、全体の8.57%を占め、設定保険料率が1.97%以上(告示による概算負担率)の組合は123組合で、全体の9.09%となっている。

2024年度予算編成に対する考え方

保険料収入は、33年ぶりと言われる春闘の高い回答結果が反映されておらず、大幅な賃上げに期待。なお、賃上げ1%は、保険料収入+800億円程度に相当。

保険給付費は、2023年度下半期以降、伸び率が鈍化しており、2024年度もその傾向が続く見込み。

以上のようなプラス要因は見込めるものの、高齢者等拠出金の増加は続いており、全体として厳しい収支状況は続いている。

※前述の数字は、単位未満を四捨五入しているため、合計等が一致しない場合がある。

過去10年間の推移