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広報誌「かけはし」

令和5年度 健康保険組合全国大会

将来世代が希望を持てる制度へ!
医療DXを推進し、改革実現と健保組合のさらなる機能強化を

全国大会次第
開会の辞

(大会議長)

クボタ健康保険組合

片桐均常務理事

会長基調演説
健保連 宮永俊一会長
決議

(企画委員会委員)

ベネッセグループ健康保険組合

佐藤誠治常務理事

厚生労働大臣への決議の手交
厚生労働大臣あいさつ

武見敬三厚生労働大臣

(代読:濵地雅一厚生労働副大臣)

政党代表あいさつ

自由民主党(田畑裕明衆議院議員)

公明党(谷合正明参議院議員)

立憲民主党(中島克仁衆議院議員)

日本維新の会(梅村聡参議院議員)

国民民主党(古川元久衆議院議員)

特別企画

大和総研 副理事長・内閣官房参与

熊谷亮丸氏

閉会の辞

(企画委員会委員長)

日立健康保険組合

内田好宣常務理事

令和5年度健康保険組合全国大会が10月25日(水)12時から、東京・丸の内の東京国際フォーラム・ホールAで開催された。

コロナ禍を乗り越えて、4年ぶりに会場参加の規模を従来に戻すとともに、あわせてWEBでの出席により、これまで以上の多くの方にご参加いただいた全国大会となった。

クボタ健康保険組合
片桐均常務理事

「将来世代が希望を持てる制度へ!医療DXを推進し、改革実現と健保組合のさらなる機能強化を」をテーマに掲げた全国大会は、来場約3000人、オンライン約1500人の参加となった。大会議長であるクボタ健康保険組合の片桐均常務理事による開会あいさつのあと、健保連の宮永俊一会長が基調演説を行った。

基調演説ののち、大会のスローガン

①社会情勢の変化を見据え、全世代で支え合う制度へ

②医療DXを推進し、国民の健康と安心を確保

③安全・安心で効果的・効率的な医療提供体制の構築

④保険者機能の推進による健保組合の価値向上

―を基にした大会決議案を、ベネッセグループ健保組合の佐藤誠治常務理事が力強く朗読。決議は出席者全員の賛同で採択され、武見敬三厚生労働大臣に代わってご臨席いただいた、濵地雅一厚生労働副大臣に要請した。

そして、武見厚生労働大臣のあいさつを、濵地厚生労働副大臣が代読した。

続いて、政党代表あいさつとして、自由民主党からは田畑裕明衆議院議員、公明党からは谷合正明参議院議員、立憲民主党からは中島克仁衆議院議員、日本維新の会からは梅村聡参議院議員、国民民主党からは古川元久衆議院議員が、それぞれあいさつを行った。

その後、出席が叶わなかった国会議員からの祝電が披露された。

大会の後半では特別企画として、「「新しい資本主義」と全世代型社会保障改革について」と題して、大和総研副理事長・内閣官房参与(経済・金融担当)の熊谷亮丸氏による講演が行われた。

宮永俊一
健保連会長

宮永健保連会長基調演説

令和4年度の健保組合決算は、全体で1365億円の黒字となったが、2年前のコロナ禍による受診控えに伴う精算戻りによって、高齢者医療費への拠出金が大幅に減少したことによる、極めて特殊で一時的な減少にすぎない。健保連では、5年度決算はマイナス3600億円と再び赤字に転じると予測している。この傾向は団塊の世代がすべて後期高齢者になる2025年、高齢化のピークを迎える2040年に向けて、さらに強まるとみている。

また、昨年の出生数は過去最少の77万人となり、将来の社会保障の支え手の減少に歯止めをかけることは、国家的に待ったなしの課題である。この流れを反転させるため、若年人口が急減する2030年代に入るまでの今後10年弱の期間がラストチャンスとなり、速やかに手を打たなければならない。

少子化の流れが加速するなか、負担を将来世代に先送りするのではなく、皆保険制度を持続可能でより良い制度として、将来世代に引き継いでいくことが私たちの使命である。この使命を果たすため、全世代型社会保障制度を前に進めるための改革の実現や、質が高く効果的・効率的な医療を国民・患者に提供するための基盤となる医療DXの推進、さらに健保組合が保険者機能を一層強化していくことで、誰もが健康で生き生きと活躍できる社会の創出に貢献していくことが必要である。

「将来世代が希望を持てる制度」の実現は、決して一筋縄でいくものではない。しかし、私たちは今の時代を生きる者の使命として、強い決意と覚悟を持って、次の世代のために取り組んでいかねばならない。

これから年末にかけて、令和5年度の補正予算、6年度の政府予算編成も重要な局面に差しかかる。また、少子化対策の財源確保のための新たな支援金制度の検討や、来年度の「診療報酬・介護報酬」のダブル改定など、重要な政策も動いていく。

本日の全国大会で掲げた私たちの主張を実現するため、私も先頭に立って取り組んでまいる。

決議

我が国では、経済社会に大きな混乱をもたらした新型コロナウイルス感染症が、今年5月に5類感染症に引き下げられ、アフターコロナに向けて踏み出している。コロナ禍にあった約3年の間、国民の生活や意識は大きく変化し、ICTツールを活用した新たな行動様式も定着する一方で、旧来の慣習や制度に依拠した社会構造そのものの変革も求められている。

国民の安心の拠り所である社会保障制度も例外ではない。コロナ禍にあっては非常時における病床逼迫やかかりつけ医の不在など、医療提供体制の脆弱性が改めて浮き彫りとなった。加えて、医療費の伸びはコロナ禍前の水準を大きく上回る状況が続き、「団塊の世代」がすべて後期高齢者となる2025年、高齢化のピークを迎える2040年に向けて医療費の負担が年々増大していく。出生数の急減による少子化の一層の加速も現実の脅威として明らかであり、このままでは、現役世代の負担はさらに厳しさを増し、極めて重大な難局に直面することが確実である。

今こそ、誰もが安心して医療を受けられる「国民皆保険制度」を維持し、「将来世代が希望を持てる制度」へ、大きく転換しなければならない。

今年5月に成立した改正法は、現役世代の負担軽減に資する内容が盛り込まれたものの、まだまだ十分とは言えず、後期高齢者の現役並所得者への公費投入や拠出金負担割合の上限設定など残された課題への対応が急務となる。また、火急の課題である少子化対策は、我が国の最重要課題であればこそ国民の十分な理解のもと国全体で取り組むとともに、その財源対策は国民全体、特に現役世代の納得感を得ることを前提として進めるべきである。

国民が安心して、より良質かつ効率的なサービスを受けられる体制を築くためには、医療の質を担保しつつ給付の伸びを抑制し、医療費にかかる負担の軽減を図ることも欠かせない。

特に医療DXは、急速な少子高齢化に直面する我が国において、限られた医療資源の適正化を推進するための重要なツールとなる。まずは、オンライン資格確認システムなどを基盤とした全国医療情報プラットフォームの創設等を確実に進め、医療DXを社会生活に浸透させていかなければならない。さらに医療DXの推進に不可欠であるマイナンバーカードと保険証の一体化は、現行の保険証では実現できない質の高い医療の提供や医療の効率化に寄与するものであり、健保組合の現場の負荷に配慮しつつ、着実に実現すべきである。

我々健保組合は、これまでも労使と連携しながら、加入者の働き方やニーズを踏まえた保健事業を実践し、健康づくりや疾病予防など、健康寿命の延伸に貢献してきた。今後も、特定健診・特定保健指導やデータヘルス、コラボヘルスなどの推進や、就業者の高齢化や女性の社会進出等の社会情勢の変化に合わせた取り組みにも注力して、これまで以上に優れた保険者機能を発揮し続けていく。

健保組合が国民の安心と健康の基盤である国民皆保険制度を支え、将来世代につないでいくために、我々は組織の総意をもってここに決議する。

一.社会情勢の変化を見据え、全世代で支え合う制度へ

一.医療DXを推進し、国民の健康と安心を確保

一.安全・安心で効果的・効率的な医療提供体制の構築

一.保険者機能の推進による健保組合の価値向上

令和5年10月25日

令和5年度 健康保険組合全国大会

将来世代が希望を持てる制度へ!
医療DXを推進し、改革実現と健保組合のさらなる機能強化を

濵地雅一
厚生労働副大臣

武見敬三厚生労働大臣あいさつ
(代読:濵地雅一厚生労働副大臣)

健康保険組合および健保連の皆さまにおかれては、平素より健康保険事業の円滑な運営を通じて、医療保険制度の健全な発展に格別のご尽力をいただき、厚くお礼申し上げる。

本日の大会スローガンとして「全世代で支え合う制度へ」「医療DXの推進」などを掲げていただいた。

我が国の人口構造は、高齢者人口が増え続ける一方で、現役世代は大きく減少していくことが見込まれている。そのため、現役世代の負担上昇の抑制を図りつつ、負担能力に応じて、すべての世代で増加する医療費を公平に支え合う仕組みを構築することが何よりも重要である。

こうした問題意識のもと、「全世代対応型の持続可能な社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律」が本年5月に成立した。改正法の成立に当たり、皆さまのご理解・ご協力をいただき、改めて感謝を申し上げるとともに、引き続き、施行に向けてご協力をお願いしたい。

また、マイナンバーカードによるオンライン資格確認については、今後の医療DXの基盤となる仕組みであり、令和6年秋からのカードと保険証の一体化に向けた準備を進めている。マイナ保険証で受診することで、国民自身の健康・医療に関するデータに基づいた、より適切な医療を受けることが可能となるなどのメリットがある。こうしたメリットを、より多くの国民の皆さまに実感していただくため、健保組合および健保連をはじめとする関係団体と連携し、普及啓発を図るなど、利用促進に取り組んでいく。

一方、国民の皆さまに安心してマイナ保険証を使っていただくには、資格情報の正しい紐付けが大前提となる。健保組合および健保連の皆さまには、登録済みデータの総点検にご尽力いただき、この場をお借りして改めてお礼申し上げる。

最後になるが、健保組合および健保連の今後益々のご発展と、お集まりの皆さまのご健勝をお祈り申し上げ、私の挨拶とする。

国会議員へ大会決議の実現を強く要請

谷川 とむ   衆・自民(比例)

クボタ 片桐 常務理事

大阪連合会 坂根 主事

大阪連合会 栗本 主任

宗清 皇一   衆・自民(比例)

関西電力 小段 常務理事

大阪連合会 長井 参与

大阪連合会 本田 主任

伊佐 進一   衆・自民(大阪6区)

日本生命 西島 常務理事

大阪連合会 西本 事務局長

大阪連合会 北吉 事務局長補佐

松川 るい   参・自民(大阪府)

近畿日本鉄道 赤坂 常務理事

大阪連合会 森脇 参与

大阪連合会 山田 医療対策室長