「減額査定通知」について
「減額査定」とは
健康保険を使って医療機関に受診すると、みなさまは窓口で自己負担額(医療費の3割~2割)を支払い、残りの医療費(7割~8割)は、後日、医療機関から健保組合へ診療報酬明細書(レセプト)により請求されます。
レセプトは、医療機関等から健保組合に直送されるのではなく、審査支払機関(支払基金)を経由します。支払基金では、レセプトの記載内容の誤りや病名に対する不適切な診療内容・投薬がないかなどを審査し、適正でないと判断された場合は、医療機関等から健保組合への請求額が減額されます。これを「減額査定」といいます。
しかし減額査定は、みなさまが自己負担額を支払った後に行われているため、みなさまの自己負担額は多く支払ったままです。
そこで、支払基金での審査の結果、厚生労働省が示す条件である『窓口での自己負担額に対し1万円以上の減額が判明したとき』に該当する場合に、健保組合から対象の方へお知らせしています。当組合では、PepUpの「医療費のお知らせ兼給付金支給決定通知書」にて、減額査定に該当する医療費がある場合、「医療費総額」の左側に「※」が表示されます。(対象となる方は非常に少数です。)
「減額査定」の対象になったら
減額査定の対象となった場合、医療機関等へ申し出ることにより、過払い相当額が返還される可能性があります。過払い金の返還請求を行う場合、当組合はみなさまと医療機関等の話し合いに介入することはできませんので、直接申し出てください。
なお、必ずしも減額査定された自己負担額が返還されるというわけではありません。診療内容によっては返還されない場合もあります。また、減額査定の対象となった診療であっても、医療機関が支払基金に対して再審査の申し出をし、再審査で正当な医療行為であると査定された場合は返還されません。
(例)減額査定による医療費返還までの流れ
3割負担の被保険者Aさんが、入院した際の総医療費が30万円で退院時に9万円支払ったとします(①)。この病院は、残りの7割(21万円)をレセプトによって審査支払機関(支払基金)経由で健保組合に請求します(②)。
しかし、支払基金がAさんのレセプトを審査し、総医療費10万円分の減額査定をすると、健保組合への請求は14万円となります(③)。
このように減額査定となっても、Aさんが窓口で支払った自己負担額は9万円のままであり、差額(過払い金)3万円が生じることになります(⑥)。こうした場合はAさんの申し出により、医療機関から差額の3万円が返還される可能性があります(⑦⑧)。

審査前(①②) | 審査後(③④⑤) | 差額(⑥) | |
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総医療費 | 30万円 | 20万円 | 10万円 |
健保組合負担額 | 21万円 | 14万円 | 7万円 |
自己負担額 | 9万円 | 6万円 | 3万円 |