広報誌「かけはし」

 

■2015年2月 No.521



 1月21日、定例の理事会を開催し、中央情勢報告を中心議題として審議した。
 会議の始めに、出席者の交代があった理事組合(大阪鉄商健保、近畿日本鉄道健保)の紹介があった。

1. 中央情勢

(1) 医療保険制度改革関連
   与党(自民・公明)は1月8日、医療保険制度改革骨子案を了承。13日には、政府の社会保障制度改革推進本部で同骨子案を了承。その内容を反映した平成27年度政府予算案が14日に閣議決定された。
 「改革骨子」の内容は、▽国保の安定化 ▽後期高齢者支援金の全面総報酬割の段階的導入 ▽協会けんぽの国庫補助率安定化 ▽医療費適正化計画見直し ▽予防・健康づくりの促進 ▽国保組合の国庫補助見直し ▽後期高齢者の保険料軽減措置見直し ▽標準報酬月額の上限額見直し ▽患者申出療養の創設―などである。
 全面総報酬割については、29年度から(27年度2分の1、28年度3分の2総報酬割で段階的に実施)とされている。
 消費税引き上げが先送りされたこともあり、本格的な改革には至っていない。国保改革が主眼となっている。団塊の世代が全員、前期高齢者となるところから、前期高齢者の医療費に一定の国費が導入される。
(2) 社保審医療保険部会
   1月9日に開催され、厚労省が提示した医療保険制度改革骨子案について議論した。改革に関する部会としてのとりまとめは行わず、同日は各委員の意見開陳にとどまった。
 厚労省から、今回の高齢者医療制度改革にともなう費用負担の変化について説明があった。
 国保へは、消費税率5→8%への引き上げの際に決定していた財政支援の拡充策(1700億円)を、保険者支援制度の拡充として27年度から実施する。加えて国費200億円を投入する。29年度からは、後期高齢者支援金の全面総報酬割実施により生じる国費(2400億円)のなかから、優先的(1700億円)に活用する。
 国保の財政影響額は、29年度ベースでプラス3600億円。
 総報酬割強化により捻出される国費は、27年度(2分の1総報酬割)600億円、28年度(3分の2総報酬割)1200億円。
 拠出金(後期高齢者支援金、前期高齢者納付金)負担の重い被用者保険者への支援を実施(27年度110億円)。加えて既存の高齢者医療運営円滑化等補助金(27年度200億円)。具体的な支援策としては、@現在、拠出金(前期納付金、後期支援金)負担のとくに重い被用者保険者(上位3%)の負担軽減を実施しているが、この対象を上位10%に拡大する。拡大にかかる費用は、保険者の支え合いと国費で折半する。
 A高齢者医療運営円滑化等補助金を段階的に拡充する。前期高齢者納付金の負担増緩和のため、前期納付金所要保険料率の高い保険者の負担軽減を実施する(29年度600億円)。B加えて従来の円滑化等補助金120億円。@+A+Bで29年度合計820億円。(以上、金額は概算見込額。)
(3) 大塚健保連会長コメント
   1月15日、健保連の大塚会長は、政府の医療保険制度改革案の決定にあたってコメントを発表した。主旨は次のとおりである。
 今回決定された改革案は、国保の財政対策に偏向しており、被用者保険を含めた持続可能な制度構築を志向したとは言い難い。
 さらに、被用者保険の後期高齢者支援金に全面総報酬割導入を企図している。健保連は、全面総報酬割そのものに反対しているわけではない。しかし、その構図は、国保に対する国の財政責任を現役世代の保険料負担に押しつける「肩代わり」であり、全く容認できるものではない。
(4) 今後の対応
   改革実現に向けたスケジュールとしては、消費税引き上げがあらためて設定された29年度に向けて、活動のヤマ場をどう位置づけるかが課題である。当面、今通常国会での審議期間中、国会議員、政党への要請活動が重要。国会議員等を招き、地域単位でイベントを開催することも有意義である。
(5) 健保連本部の27年度予算概要
   医療保険制度改革のための活動を強化する。とくに高齢者医療の負担構造改革と持続可能な制度の構築に向けた活動を強力に推進する。
 一般会計予算収支額は約32億6000万円の規模となる。27年度の本部会費は据え置く予定。予算案は2月の総会に諮られる。これに沿って大阪連合会の会費も据え置く。

2. 大阪連合会活動

(1) 広報委員会
   かけはし1月号の編集概要の報告があった。
(2) 報告事項
   川隅専務理事から、大要次のとおり報告があった。昨年暮れに開催を企画した「あしたの健保組合を考える大会」は、承知のとおり急きょ12月総選挙となり中止となった。
 そのため、あらためて立ち上げ企画することとし、現段階では3月30日開催予定で準備を進めている。決定次第、各組合へ連絡差し上げる。