時評
喫煙率の減少に向けて思うこと
毎年4月は、値上げが集中する時期で、この4月も2700品目を超える食品の値上げが実施された。食品以外では、たばこもたばこ税の段階的引き上げなどにより、銘柄によっては1箱20円から50円の値上げとなった。
たばこの値上げは、喫煙率の抑制に効果があるが、これ以外にも喫煙できる場所の制限、禁煙治療の保険適用など、禁煙に関する取り組みが活発化している。そもそも日本も批准しているWHO「たばこ規制枠組条約」(平成17年発効)には、6つの政策、①たばこ使用と政策のモニタリング、②受動喫煙からの保護、③禁煙支援・治療、④たばこの危険性の警告、⑤たばこの広告・販促・後援の禁止、⑥たばこ税の引き上げ、が盛り込まれており、喫煙率の減少や受動喫煙の防止には、環境整備が重要とされている。
また、令和6年4月から推進されている「健康日本21(第三次計画)」においても、引き続き、喫煙による健康被害を回避することが重要であるとして、令和14年度までに、20歳以上の者の喫煙(喫煙率を12%に減少)や受動喫煙の防止(望まない受動喫煙のない社会の実現)等について目標が設定されている。
こうした中、令和7年12月、厚生労働省より「国民健康・栄養調査」(令和6年10月~11月に実施)の結果が公表された。それによると、喫煙に関する状況では、平成24年当時、習慣的に喫煙している成人の割合は20.7%(男性34.1%、女性9.0%)で、令和6年では14.8%(男性24.5%、女性6.5%)まで減少した。このように、確実に喫煙率は減少しているが、世界で規制・対策が進んでいる国々と比較すると、まだまだ日本は、環境整備のための法規制が遅れていると言われている。
喫煙は、がんをはじめ脳卒中や心筋梗塞などの循環器疾患、喘息やCOPDなどの呼吸器疾患、さらに認知症など多くの病気と関係しており、個人の健康だけでなく、医療費や介護費などを通じて社会全体に大きな経済的負担をもたらしている。
今回の「たばこの値上げ」を機に、少しでも喫煙率が減少するよう願うとともに、国における一層の大胆な環境整備に期待したい。また、当健康保険組合においても事業所と連携し、加入者の禁煙をこれまで以上に応援していきたい。
(Y・I)


