けんぽれん大阪連合会

けんぽれん大阪連合会 会員組合員専用サイト 要認証
近畿地区連合会 専用サイト 要認証

広報誌「かけはし」

時評

マイナ保険証の利用促進

昨年の12月2日から、健康保険証の新規発行が終了した。これを機に、マイナ保険証への移行が進むと思われる。しかし、既存の健康保険証は今年の12月1日まで使用が可能であることや、制度自体に不安を抱える方がおられることなども影響しているのか、現状、なかなかマイナ保険証の利用が進んでいない。

このような状況を受けて、健保連側からはマイナ保険証の利用をさらに促進するための広報事業の取り組みが開始される。

具体的にはまず、新たに健保組合に加入する方(新社会人、転職者など)をターゲットとした動画やリーフレットが作成された。その内容は、4月の新規資格取得者のピーク時に合わせたもので、一方、健保組合向けには、「資格確認書(職権交付分)の交付方法の見直しについて」を作成。資格確認書を適正に交付(「念のため交付」を抑止)するため、健保組合で随時照会したあとに資格確認書を交付する運用を推奨することや、速やかに交付するため事業主へ事前点検の届出を依頼する取り組み等を促す資料となっており、是非ともこの資料を事業主への依頼に有効活用していきたいと考える。

また、新入社員等に向けたものとしては、マイナンバーの届出、マイナンバーカードの取得および保険証利用登録、健保組合についても分かりやすく解説した資料が用意された。このように、資格を取得する時点でマイナ保険証を所持し、それを引き続き利用していただく流れが定着すれば、結果として利用率の向上にも好影響を与えることができると考える。

次に、国民の皆様に対する広報活動も行われる。内容的には、マイナ保険証を利用する側として一部不安要素とされている安全性などもアピールされると共に、これまでに制作したCM動画を再編集してデジタル広告や医療サイネージに出稿し、広く周知が図られる見込みだ。

幾分か唐突に始まった感が否めないマイナンバーカードの保険証利用への移行に関しては、現在でも、医療現場で色々なトラブルを見聞きする。しかし、すでにこの制度は走り出しているため、健保組合としてもなんとか軌道に乗せるべく最大限の対応はしていきたいと考える。

より良い医療を、そして効果的・効率的な医療を国民に受けていただくため、医療DXは欠かせないものであり、その一環としてマイナ保険証の利用を促進させることは、高齢化により今後さらなる医療費の上昇が避けられない我が国にとって非常に重要な課題である。

従って、健保組合をはじめとした保険者、保険医療機関等、そして国のそれぞれがその目的に向かって最良の取り組みを行うことが今まさに求められているのである。

(M・O)