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広報誌「かけはし」

「時局講演会」を開催

健保連大阪連合会は9月11日の理事会終了後、引き続いて「時局講演会」を開催した。「参議院議員 梅村うめむら さとし先生の国政報告」と題して、梅村聡参議院議員が講演。

日本国内の医薬品事情

梅村聡
参議院議員

日本において、全ての薬に対する国内自給率を知るすべは、現在は存在しない。しかし、ジェネリック医薬品に限ればそのデータは存在する。

薬には有効成分があり、その有効成分から原末という薬の元になるものを作る。それを錠剤にしたり、乾燥したり、液体化したりするなど、製剤化していく。この原末を作るところから製剤までを、すべて国内で行っているジェネリック医薬品は全体の35%であり、それ以外は海外に依存している。

では、どのような薬が海外に100%依存し、国内では一切作られていないのか。それは、色々な手術や医療行為に必要な麻酔が挙げられる。また、ほぼ100%と言われるのが抗生物質や、循環器疾患にかかる医薬品などである。

このようななか、海外依存の医薬品が日本国内に入ってこない状況になった場合を想定し、現在、その確保に向けて厚生労働省と首相官邸は動き出そうとしている。

大阪府下の介護実態

大阪府下の介護保険料は、他の都道府県の追従を許さないほど高い。独り暮らしの高齢者が多いため、介護保険料が高い傾向にあるという。

人口で見ると、東京都は大阪府の約1.6倍。しかし、老人ホームの入居者数は、大阪府は東京都の約2倍。つまり、人口当たりでみると、大阪府で老人ホームに入っている人は東京都の約3.2倍となる。

医療費を取り巻く状況

医療の世界においても、医療費適正化について取り組むべきことはたくさんあると思う。その方法については、国民の皆さんにも医療を取り巻く状況を知っていただき、どのような取り組みを行わないといけないのかを考えていただかないといけない。

医療に関しては、財源問題だけではなく、そのあり方が今のままでいいのか、ということが問われている。私は、この部分が社会保障であるとか、医療の改革であると思っている。こういったトピックスが、今、国会で議論されているということを、ぜひ皆さんに知っていただければと思うのである。

シャープ健保組合 三宅 俊昭 常務理事が質問

三宅俊昭
常務理事

梅村参議院議員に対して、会場のシャープ健保の三宅俊昭常務理事から、「どう見ても、毎年医療費が増え続けることになっている。大変難しい課題であるとは思うが、高齢者医療制度、消費税の仕組み、また、日常での取り組みなどを含めて、今後に向けて肝となるような施策や考え方があれば、ぜひとも今日、この機会にご教授賜りたい」と質問があった。

梅村参議院議員は、「まず、高齢者の医療費について。私たちは、高齢者の自己負担を原則3割にしてはどうかと考えている。現状、75歳を境に自己負担に大きな差が生じることになる。これは、やはり年齢で区切るのではなく、応能負担に変えていくべきだろうと考えている。かつて大阪府でも、老人医療費が無料の時代があった。その後、外来が300円、入院が400円の自己負担が付くことなどを経て、現在の高齢者医療制度が成立した。昔からの考え方を踏襲すると、高齢者の自己負担は年齢で区切ると言われている。しかし、日本の現状を考えれば、やはり応能負担で3割、2割、1割とすべきではないかと思う。また、後期高齢者医療制度というものが作られたのであれば、後期高齢者の診療報酬体系は、74歳までの方とは違ったものを作るべきではないか。高齢者にふさわしい診療報酬体系があるはずである。最後に、一番大きな肝の部分とは、以上2点のことをきちんとやり遂げるということ。何よりも現役世代の可処分所得が伸びない状況にあるなかで、医療財政にとっても大事なことであり、ここをどうしていくかが重要となる」と回答した。

健保連 鷹野英樹 総務理事 あいさつ

鷹野英樹
健保連総務理事

現在、政治の状況も混沌としており、正に先が見えない状況になっていると思う。ただ、一方で、日本の課題というものは実際にはっきりしているのではないか。それは、大きく分けて、人口問題、財政問題、負担の問題であると思っている。

特に高齢者医療を含めた拠出金の問題。今の仕組みのままで制度がもつのか、皆保険制度はもつのか、崩壊してしまうのではないか、というのが健保組合の皆さんの気持ちなのではと思っている。ある意味、どのような政権になっても避けては通れない、逃れられない問題である。

梅村参議院議員におかれては、国会議員としても、医療の専門家としても、さらに医療保険者の味方としても、こういった思いを原点にご活躍されてきたと思っている。

ぜひ、今後も引き続き、国政の場でご活躍いただきたい。

本日は、薬や介護、医療など多岐にわたるお話があったかと思うが、健保組合でもこういった問題を考えつつ、できることをやっていかなければならないと思いを強くしたところである。