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広報誌「かけはし」

時評

2040年を想う

2040年を想う。

それは約20年後の世界。日本の社会・経済構造、国民の日常生活や意識には大きな変化が起きているに違いない。

直近20年を振り返ってみても、変化のスピードは凄まじい。例えばスマホ。スマホが日本で本格的に普及し始めて、まだ20年も経っていない。それがすでに生活していく上でなくてはならないものとなり、一人ひとりが所持している前提で、色々なシステムが構築されつつある。

人々の意識にしてもそうだ。日本で長年当たり前のように立てられていた結婚式の仲人。いまや仲人のいる結婚式の方が珍しくなっているのではなかろうか。葬儀についても然り。いまや都会における葬儀は家族葬中心となり、参列・香典・供花は辞退という形が増えている。

直近20年でもこのような大きな変化が起きているわけだから、今後20年間にも想像を絶するような大きな変化が起きるだろう。

ここで、話題を2040年の健康保険や医療のあり方に向けてみよう。

マイナンバーカードはほぼ100%普及し、保険証利用がすでに当たり前になっている。

オンライン資格確認システムの導入はもちろんのこと、さらに全国医療情報プラットフォームが創設。レセプト・特定健診等の情報に加え、予防接種、電子処方箋、電子カルテ等の医療(介護を含む)全般にわたる情報について、全国的に共有・交換できるようになる。

さらには「かかりつけ医」を持つことが国民にとって日常となり、質の高い効率的な医療提供体制が確立。国民の受診行動も変わり、終末期医療に対する意識が大きく変化しているかもしれない。

社会保障の構造が見直され、給付と負担の世代間バランスも是正されている可能性もある。

AIが進展し、レセプト審査の大半はコンピュータチェックで終わり、健康保険に係る業務は大幅に効率化が進んでいることも考えられる。

2040年、そのとき健康保険組合はどのような位置づけとなり、社会に対してどんな貢献ができているだろうか。そして、その存在価値は何だろうか。

時代や環境が変われば組織の存在意義も変質する。ものごとの優先順位も変わる。好むと好まざるとにかかわらず、組織というものは変わっていかなければならない。

それは健康保険組合も同じである。

(T・M)