5月の理事会から
5月18日、定例の理事会を開催し、中央情勢報告を中心議題として審議した。はじめに、出席者の交代があった理事組合(ヤンマー)と、健保連本部のパイロットスタディとして、新たに出席する京都連合会の紹介があった。
1.中央情勢
(1)当面の政府等の動向と健保連の対応
〇3月29日に開催された第3回全世代型社会保障構築会議において、次の内容が検討された。
①全世代型社会保障の構築にむけて
②男女が希望通り働ける社会づくり・子育て支援
③勤労者皆保険の実現
④女性の就労の制約となっている制度の見直し
⑤家庭における介護の負担軽減
⑥「地域共生社会」づくり
⑦医療・介護・福祉サービス
〇4月13日に開催された第4回経済財政諮問会議において、成長と分配の好循環実現に向けた社会保障改革について検討された。
ここでは、全世代に対応した社会保障・こども政策について
①年金・医療・介護、少子化対策に加え、予防・健康づくり政策、雇用政策、住宅政策、さらには財政負担を軽減する共助の強化、を一体として検討・改革すべき
②給付と負担のあり方を見直し、現役世代の社会保険料負担の増加を抑制するとともに、将来世代に負担を先送ることのないようにすべき
―とした。
また、医療・介護サービス改革の継続・強化については、リフィル処方せんの普及・促進、地域医療構想による医療機能の分化を大きく推進し、医療法上の都道府県知事の権限強化などを図るべき―とした。
〇「骨太の方針2022」および2023年度予算概算要求に対する要望
自民党における国民皆保険を守る国会議員連盟から鈴木俊一財務大臣に対し、次の要望を提出した。
①国民の安全・安心のための質の高い効率的な医療の実現
②世代で支え合う医療保険制度の構築
③健康寿命の延伸に向けた保健事業の更なる推進
〇2022年度健康保険組合予算早期集計
経常収支は2770億円の赤字で、健保組合全体の約7割が赤字。新型コロナウイルス感染症の影響で、高齢者医療への拠出金は減少したが、一時的であり、極めて異例なもの。
また、標準報酬月額は1.4%、賞与は7.5%増加しており、前年度に比べれば回復基調にあるものの、新型コロナ以前の2019年度と比べると、月額0.1%、賞与5.1%のマイナスであり、依然として低い状況にある。
〇薬機法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議
5月12日の参議院厚生労働委員会における附帯決議が、13日に参議院本会議で可決・成立した。その内容は、電子処方せんの運用に伴う費用負担は、普及状況や効果等を定期的に検証したうえで、基盤整備期間中は国において必要な財政支援をすることや、マイナンバーカードの健康保険証利用の促進に向けた措置を講ずる、というもの。
(2)オンライン資格確認システム関係
4月17日時点での運用開始施設は全体の17.6%。健保連としては、運用開始施設が2割を切る状況で非常に残念であり、国や関係者の努力を要請したい。来年3月のおおむね100%という目標達成には、マイルストーンを立て、PDCAで取り組むことを要請。
(3)柔整療養費の不正対策協議
検討専門委員会において、患者ごとの償還払いへの変更、明細書の義務化、施術管理者に確実に支払う仕組みについて検討されている。特に、償還払いへの変更について、現時点ではその対象に健保連が求める「長期・頻回受療」は含まれていないが、今後検討し、結論を得るとしている。
2.大阪連合会活動
(1)各種委員会報告
広報委員会を4月13日、5月16日に開催し、それぞれ、かけはし5月号、6月号の編集概要と、今後の事業について報告された。
また、総合組合委員会を4月14日に、保健共同事業委員会を4月21日に、医療給付委員会を4月25日に、組合業務委員会を4月27日にそれぞれ開催した。委員会所管の各種研修会や講習会の開催等、2022年度の今後の事業について検討した。
(2)報告事項等
川隅専務理事から、次の3点について報告があった。
①オンライン資格確認の促進に関するアンケート調査が、3月末から大阪・東京の健保組合を対象にスタートしており、4月20日から全国展開されている。
②大阪連合会管内167健保組合の2022年度予算概要について。経常収支差引額は△364億8982万4千円。赤字組合数は119組合(71.3%)である。20組合が保険料率を引き上げ、平均保険料率は9.258%、実質保険料率は9.700%となった。
③今年度の定時総会については、新型コロナウイルス感染症の状況を踏まえながらではあるが、現状では7月28日に開催し、永年勤続者表彰式もあわせて挙行する予定。