けんぽれん大阪連合会

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広報誌「かけはし」

新年あいさつ

健保連大阪連合会
会長

久保 俊裕

新年あけましておめでとうございます。皆様にはご健勝にて新年をお迎えのこととお慶び申し上げます。

新型コロナウイルスの感染拡大からほぼ2年経ちました。この間、影響を受けられた方々には謹んでお見舞い申し上げます。そして、医療現場の最前線で治療にあたっている医療機関の皆様や、感染拡大防止のためにご尽力されている多くの方々に、深く感謝申し上げます。

さて、昨年を顧みますと、政治・社会面では、10月に衆議院議員総選挙が行われました。岸田文雄首相の就任から、わずか27日後の投開票という異例の短期決戦でありました。自民党は、やや議席を減らしたものの、単独で絶対安定多数を確保するに至り、立憲民主党は選挙前を下回り、100議席を割り込みました。そんななか、日本維新の会は、選挙前の4倍近い議席を獲得し、野党第3党に躍進しました。

スポーツ関係では、7月、8月に東京オリンピック・パラリンピックが緊急事態宣言下で開催されました。競技面では、嬉しいことに2000年以降に生まれた新世代のアスリートの躍進が著しく、日本は、金メダル27、銀14、銅17の合計58個のメダルを獲得し、史上最多となりました。

一方、医療保険の関係に目を移しますと、医療技術等の進歩・発展と、高齢者人口の増加により医療費が年々増えていることや、現役世代の減少により、国民皆保険制度の存続が危ぶまれる状況です。

私たち健保組合もコロナ禍によって、事業運営に大きな影響を受けています。保険給付費については、2020年度はコロナ禍の受診控え等により減少していましたが、2021年度から医療費は着実に伸びており、コロナ前の水準に戻りつつあります。また、保険料収入については、2020年度から売上・収益の大幅減に見舞われた業種もあり、保険料の納付猶予も含めた収入減により、健保組合全体の財政は、非常に深刻な状況が続いています。

団塊の世代が後期高齢者に入り始める2022年度から医療費が急増することは明白であり、給付と負担の面で今の構造が崩れ、新たな財政問題に直面します。現役世代や企業の保険料負担は限界に達しており、さらに負担が増えれば、健保組合は耐えられません。

現役世代の負担軽減と、世代間の公平性の確保を確実に実行することが必要です。しかし、これだけでこの難局を乗り越えることは難しく、医療費の伸びを中長期的にどう抑制するかの検討、医療費の適正化、保険者機能の強化なども必要となります。

昨年10月に、健康保険組合全国大会が「未来のため、皆保険を守るため、全世代で支え合う制度の構築へ」をテーマに開催されました。大会では、「国民が安心できる安全で効率的な医療の実現」「現役世代の負担軽減と世代間の公平性の確保」「健康寿命の延伸に向けた保健事業のさらなる推進」の3つのスローガンに基づく決議を採択。後藤茂之厚生労働大臣あての決議文を、濵谷浩樹厚生労働省保険局長に手交し、決議の実現を要請しました。

健保組合、健保連としては、従来にも増して過重な拠出金負担の軽減、持続可能な社会保障制度を確立する観点から、世代間の給付と負担のバランスを是正して公平性を確保し、全世代で負担を分かち合う制度へ、早期に転換していくことを積極的に訴えていく必要があります。また、健保組合の財政危機を打開し、国民皆保険制度を維持・発展していけるよう、健保組合の実情や改革の具体案を、多くの人々に分かりやすく説明し、改革実現に向けて取り組んでいかねばなりません。

そのためにも、健保組合と健保連が、より一層連帯を強め、全力を挙げてこの難局に立ち向かっていかなければならないと考えております。

大阪連合会は、健保連本部・都道府県連合会・各関係団体とも十分に連携し、成果ある年にしたいと思います。皆様のこれまで以上のご指導、ご支援を心からお願い申し上げます。

最後に、本年も皆様がご健勝・ご多幸で活躍されることを祈念して、新年のあいさつとさせていただきます。