10月の理事会から
10月13日、定例の理事会をオンラインで開催し、中央情勢報告を中心議題として審議した。
1.中央情勢
(1)診療報酬関連
9月末で、医科・歯科等の初診・再診、入院、調剤への加算、および介護報酬への上乗せが終了する。一方で、新型コロナ感染症患者に対する診療報酬について、自宅・宿泊療養患者に対する緊急往診を3倍。そのうち、中和抗体薬を使用した場合は5倍に拡充する。また、小児科への対策として、6歳未満の乳幼児の外来受診に特例的な加算が行われている。10月以降、加算点数は半減するが、来年3月まで継続されることとなった。
(2)オンライン資格確認の状況
院内システムの改修などの準備が完了しているのは、9月12日時点で全体の5.6%の12894施設。プレ運用施設数は同1.5%の3502施設であり、本格運用には程遠い。新聞各紙からも指摘されており、国から医療機関等に対する強い指導が必要である。
くれぐれも健保組合が苦情処理の役回りにならないように健保連からも強く主張を行う。
(3)医療費の動向
7月における被用者保険1人あたり医療費について、対前年度比は9.22%増。2019年度比は2.71%増。同じく健保組合1人あたり医療費は対前年度10.08%増。2019年度比2.33%増となり、コロナ禍前の状況に戻っている。
ただし、対前々年同期比をみると、75歳未満の4月が2.6%増、5月は0.9%増。75歳以上の4月が0.9%減、5月は4.2%減となっており、世代間で戻り方が異なる傾向が出てきている。
また、同じく4月、5月の小児科の伸び率が極めて大きく、特例加算の影響が出ていると考えられる。
(4)提言「安全・安心な医療と国民皆保険制度の維持に向けて」(案)
対応の方向性として、かかりつけ医制度の構築や、急性期病床の集約・強化等第8次医療計画を見据えた地域医療構想の着実な推進。社会情勢の変化に応じた課題と対応では、医療の重点化・効率化や現役世代の負担軽減が喫緊の課題である。
また、健保組合の価値向上への取組みとして、特定健診・特定保健指導、データヘルス、健康経営、社会環境の変化や加入者ニーズに応じた機動的対応などがある。さらなる取り組みとしては、高齢者の就労率上昇、女性の社会進出等多様性ある社会への対応、データ活用の深化などがある。
2.2021年度健保組合全国大会
今年度は、10月19日(火)14時から、会場参加・オンライン参加のハイブリッド形式での開催となる。
テーマは「未来のため、皆保険を守るため、全世代で支え合う制度の構築へ」。スローガンは3点。
▽国民が安心できる安全で効率的な医療の実現
▽現役世代の負担軽減と世代間の公平性確保
▽健康寿命の延伸に向けた保健事業のさらなる推進
3.本部委員会報告
(1)企画委員会
9月9日に開催。今年度の全国大会について議論が行われた。審議の結果、東京を中心とした会場参加者100~200人規模とし、オンライン視聴を組み合わせたハイブリッド形式で開催する。加えて事務局から今年度の広報事業の実施状況についても説明された。
(2)保険者機能推進委員会
10月11日に開催。主な議題は、
①特定健診・特定保健指導への対応
②2022年度集合契約への対応
―の2点。
報告事項として、
①2022年度概算要求における健保組合への助成の状況
②要求実現対策チームによる健保組合価値向上検討グループにおける取りまとめ状況
③日本健康会議
―の3点。
(3)交付金交付事業委員会
9月21日に開催。主な議題は、
①2023年度以降の交付金交付事業について
②2021年度の高額医療交付金交付事業の交付率低下への対応
③2022年度の組合財政支援交付金交付事業について
④第1期組合運営サポート事業の評価および第2期の方向性について
―の4点。
(4)ICT委員会
9月24日に開催。オンライン資格確認の本格運用について、厚労省から説明があった。保険者としてデータ修正への対応等の責務は果たすが、厚労省には医療機関等への働きかけを引き続き強化してもらう。また、事務局から、マイナンバーカードの健康保険証利用申込み支援事業については、事業の規模・対象、枠組み、委託事業者の選定などの報告があった。
4.大阪連合会活動
(1)広報委員会
9月24日を回答期限とし、新型コロナウイルス感染拡大を考慮し書面で実施。かけはし10月号の編集概要について報告があった。
(2)報告事項等
川隅専務理事から、次の6点について報告があった。
①12月8日(水)の理事会終了後、「あしたの健保組合を考える大会 PART6」を開催予定
②来年度の予算編成事務説明会は、健保連本部イントラネットにて動画を配信する予定
③今年度の近畿厚生局による実地監査は、12月まで実施される予定
④大阪府がん検診実態調査への協力に対するお礼。10月1日締め切り、取りまとめのうえ大阪府に提出した
⑤今年度の厚生労働大臣表彰について、対象者は全国で55名(大阪は7名)
⑥新型コロナウイルスワクチン対応プロジェクトチームによる今後の検討体制について