「年収の壁・支援強化パッケージ」における、社会保険適用促進手当と被扶養者認定の円滑化の取扱いについて
健康保険においては、一定の収入に満たない家族は被扶養者として健康保険に加入することで保険料の負担が発生しませんが、収入が増加した場合、扶養から外れて勤務先で健康保険に加入するか、国民健康保険に加入するかにより、社会保険料の負担が発生することとなります。
このため、保険料負担に伴う手取り収入の減少を意識して、一定の収入を超えないように就業調整を行うことが、いわゆる「年収の壁」です。これに当たって、社会全体で労働力を確保するとともに、労働者自身も希望どおり働くことのできる、環境づくりが重要です。こうした環境づくりを後押しするため、今回、当面の対応策として「年収の壁・支援強化パッケージ」が国より示されましたので、当健保組合における具体的な取扱いも含め、以下の通りお知らせいたします。
1.社会保険適用促進手当の標準報酬算定除外
1)社会保険適用促進手当とは
短時間労働者への社会保険の適用を促進するため、社会保険が適用されていなかった労働者が新たに適用となった場合に、事業主が当該労働者の保険料負担を軽減するために支給するものです。
2)社会保険適用促進手当の標準報酬算定除外について
労使双方の保険料負担を軽減する観点から、新たに発生した本人負担分の保険料相当額を上限として、最大2年間、当該労働者の標準報酬月額・標準賞与額の算定に考慮しないこととします。
(※標準報酬月額10.4万円以下の者が対象)
2.事業主の証明による被扶養者認定の円滑化(「130万円の壁」への対応)
1)特例措置の内容
パート・アルバイトで働く方が社会保険適用とならない場合で、事業主の人手不足による労働時間延長等に伴う一時的な収入変動により収入超過をした場合でも、事業主がその旨を証明することで、引き続き扶養に入り続けることが可能です。
※「一時的な収入変動」と認められる額に、新たな上限の設定はありません。
※通常の収入基準:60歳未満の方は年間130万円未満、60歳以上または障害年金受給の方は年間180万円未満。
2)特例措置の対象者
・事業主の人手不足による労働時間延長等に伴う一時的な収入変動により、収入超過をした方
※フリーランスや自営業者等で、特定の事業主との雇用関係にない場合は対象外です。
・雇用契約上では、収入見込みが扶養基準額内におさまる方
※基本給が上がった場合など、恒常的に収入基準額を超過する場合は特例措置の対象外です。
3)「事業主の証明書」の提出について
下記に該当する際に、「事業主の証明書」と「収入超過した年の源泉徴収票(写)」をご提出ください。
①扶養追加時に、収入証明書の直近3か月の実績が基準額を超過している、または、所得証明書の年収額が基準額を超過しているとき(現在の職場と同じ場合)
※審査時点で源泉徴収票が交付されていない場合、源泉徴収票のみ後日提出してください。

②現況確認(資格調査)時に、前年の年間収入が超過しており、当健保組合から削除依頼を送付したとき
ご自身で収入超過の判断をして提出いただくことも可能ですが、年間収入が確定した時点でご提出ください。
※例:繁忙期の人手不足で7・8・9月の月額が基準額を超過した場合でも、1~12月の給与が確定し、源泉徴収票が交付された時点でご提出ください。
4)特例措置の適用期間
・R5.10.20付以降の扶養追加、およびR6年以降の現況確認より適用を開始します。
・同一の対象者につき、連続2回(連続2年)までを上限に適用可能です。
5)その他
・「事業主の証明書」を提出すれば、必ず扶養が継続されるというものではありませんのでご注意ください。
※雇用契約内容や、その他の扶養認定基準に該当しない場合は扶養削除となります。
※自主的に「事業主の証明書」と「源泉徴収票(写)」をご提出いただいた方でも、翌年の現況確認(資格調査)時に、
当該事業所以外からの収入があったこと等が判明した場合は、再審査を行います。
・国から新たな方針が示された場合は、取扱いが変更になることがありますので、予めご了承ください。