広報誌「かけはし」

■2021年2月 No.593
 
投稿 言わしてんか!聞いてんか!

●電子申請の義務化がスタートしたものの
 

 電子申請システムは当初、昨年の4月から健保組合への届出のうち「被保険者報酬月額算定基礎届」「被保険者報酬月額変更届」「被保険者賞与支払届」について、特定の法人(資本金等が1億円を超える)に対して義務化がスタートすることが発表されていました。しかし、コロナの影響もあり準備が遅れたため、11月1日に延期されました。
 当組合も9月に事業主および健保担当者宛に電子申請について通知を行い、10月には担当者会を開催、電子申請について説明を行いました。健保連から送られてきた電子申請受付システムをインストールし、準備が整ったところに特定の法人である数カ所の事業所から問い合わせがありました。「人事・給与のシステムベンダーに問い合わせたが、システム改修が全くできていない。いつできるかわからない。どうしたらよいか?」。健保連本部に聞いたところ「コロナの影響で遅れているようなので、できるようになるまでは今までどおりで対応するしかない」とのこと。再度、全事業所担当者宛に人事・給与システム改修等の現状についてアンケートを実施したところ、準備ができた事業所はなく、当面の間は今までどおりの申請で対応することになりました。
 12月に入って、特定の法人でない事業所が業務委託している社労士事務所から、賞与支払届を電子申請したいと連絡がありました。無事、電子申請で受付ができ、基幹システムにも登録が確認できたものの、コロナの影響で健保組合の未来と同じく電子申請も先が全く見えません。

(第1地区 M・U)

   
●気になる数字
 

 我が家では立春を迎えると、おひな様を飾るのが年中行事となっています。二人の娘はすでに家庭を持ち、人形を愛でるのは妻と二人になっています。それでも娘たちが健やかであることを願って飾りつけをするのは、やはり楽しいものです。
 ひな祭りは桃の節句ですが、節句と呼ばれる日は、年に5回(五節句)あります。中国から伝わったとされ、1月7日を除き、3月3日のように月日が奇数の同じ数字で重なっています。
 古来、中国では奇数は縁起のよい数字と考えられていました。しかし、節句とされる日は奇数が並び、その和が偶数となるため邪気を払う必要があるとして、時宜に応じた行事が行われるようになったそうです。節句のお祭りは邪気を払う、という目的のために執り行われてきたともいえます。
 数字といえば、最近気になっていることがあります。マイナンバーカードに保険証の機能を加えて一体化し、現行の保険証は発行停止を検討するという意見です。マイナンバーカード導入の目的は様々あるとは思うのですが、今回のこのご意見、マイナンバーカードの普及という手段が、目的化してしまっているように思えてなりません。
 もうすぐひな祭り。我が家のお内裏様とおひな様は、このような人間界の動きを眺めながら二人並んでどのようなお顔をしていらっしゃることか……。密かに思いを馳せています。

(第2地区 M・K)

 
●バランスとれてる?
 

 新型コロナの感染拡大から1年がたとうとしている。社会的にも個人的にも、予想もしなかった日常を過ごしている。健保業務に関しても、業種によっては事業主の業績が悪化し、健保の収入が大きく減少する事態となっている。
 そのようななか、禁煙治療用アプリが「アプリ」としては日本で初めて医療機器として承認され、保険適用されることとなった。現在では常習的な喫煙は「ニコチン依存症」という病気と捉えられており、禁煙アプリは禁煙外来での薬物治療と合わせて使用するものとなる。
 健保としても禁煙推進に新たな選択肢が増えたことは喜ばしいが、アプリは一般的な医薬品と異なり、開発してしまえば製造コストはあまりかからない。今回のアプリの診療項目の点数が適当かどうかが気になるところだ。また、不妊治療への保険適用も国が前向きに検討している。必要とする方がいる施策ではあるが、どちらも保険適用されれば健保の給付増につながる。
 高齢者の窓口医療費負担の拡大は、年収200万円以上で2割負担となる。これで現役世代の負担が本当に減るのか、健保の財政は少しでも楽になるのか、引き続きウォッチが必要だ。バランスを考えた対応を切に望む。

(第3地区 R・K)
 

 
投稿規定
「言わしてんか!聞いてんか!」
500字以内。見出しも付けてください。原稿を添削する場合があります。
イラスト、写真も歓迎します。
原則として、投稿者の「所属組合名と実名」を掲載。匿名希望(イニシャル)の場合も、原稿には「所属組合名と実名」を明記してください。
原稿は地区会の広報委員へ送ってください。
問い合わせは、健保連大阪連合会事務局へ。(06-6131-7715)