広報誌「かけはし」

■2020年8月 No.587



 7月2日、定例の理事会を開催し、中央情勢報告を中心議題として審議した。

1. 中央情勢

(1) 経済財政諮問会議
   6月22日に開催。平時と危機に柔軟に対応できる医療提供体制のあり方や、医療・介護におけるデジタル化の加速について検討された。
 骨太の方針2020骨子(案)については、@新型コロナウイルス感染症の下での危機克服と新しい未来に向けてA感染症拡大への対応と経済活動の段階的引上げB「新たな日常」の実現―の項目が挙げられた。7月中旬の諮問会議において、今後のスケジュールの方針が決定される予定。
(2) 全世代型社会保障検討会議
   医療に関する改革項目は、年末の最終報告に先送りされる。今後は、9月から11月にかけて社保審医療保険部会においても中身の審議を行う。併せて、与党内に戦略本部が設けられており、そこでの調整等を経て、年末の最終報告で結論を取りまとめ、年明けの通常国会で改革法案の審議を行う流れとなる。
(3) 社保審医療保険部会
   6月19日に開催。全世代型社会保障検討会議の最終報告の先送りが報告された。新型コロナウイルス感染症の状況からやむを得ないが、団塊の世代が2022年から後期高齢者に移行することに変わりはない。健保連として、高齢者医療費の負担増や、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う経済悪化による賃金低下など、現役世代の負担がさらに大きくなることが予想されるため、給付と負担の見直しは絶対に実施しなければならないとコメントした。
(4) 新型コロナウイルス感染症関連
   政府が行う対応として、@保険料の減免、猶予等A傷病手当金の対応B特定健診・特定保健指導等における対応CPCR検査、抗原検査の保険適用D診療報酬上の対応E診療報酬の概算前払い―が挙げられた。
 健保連は、@保険料関係では健保組合の収入に大きな影響を与えるため、財政支援を検討することA特定健診・特定保健指導については、実施できない状況において、後期高齢者支援金の加算減算などについては実態を踏まえて速やかに検討し、健保組合に不利益が生じないよう配慮すべきB予防的な検査は公費で対応すること―等の意見を出した。

2. 本部委員会報告

(1) 企画委員会
   今年度の全国大会は、全国から参加者を集めることや、ソーシャルディスタンスを確保した上での会場を確保することが困難なことなど、昨今の状況を鑑み中止とする。別途、広報や渉外活動と連携した改革実現活動や、健保組合の存在価値を高めるアピールの展開などについて、改めて検討することとなった。
 また、新型コロナウイルス感染が終息しないなかでの広報活動についても検討していく。
(2) 交付金交付事業委員会
   今年度の組合財政支援交付金は、8月の事前申請、9月の概算交付申請を経て、10月の委員会、11月の概算交付という従来どおりのスケジュールで進める。
 交付金交付事業の今年度課題として、高額医療交付金の交付率、組合財政支援交付金事業の枠組みや交付基準のあり方などが挙げられた。
 また、今年度の組合サポート事業の対象組合は142組合だった。
(3) ICT委員会
   電子申請環境の構築について、厚生労働省保険局保険課から説明があった。そのなかで、委員からの質問に対し、「健保組合における独自申請環境が整っている場合は、マイナポータル利用への切り替えを必ずしも求めないこと」「電子申請によって健保組合のワークフローは基本的には変わらないこと」「健保組合におけるテレワークについては、現在、どのような安全管理措置を講じれば特定個人情報等を取り扱えるか、個人情報保護委員会と協議を始めている」などの回答があった。
 また、国のICT施策に関する現状と今後の対応について事務局から説明があった。

3. 大阪連合会活動

(1) 令和元年度大阪連合会事業報告・決算
   令和元年度の事業報告と、収入支出決算報告、および円滑化推進事業報告・同決算報告があった。
 令和元年度決算は、収入1億3962万円、支出1億3671万円で、差引291万円の決算残金は令和2年度に繰り越すこととした。また、6月16日に実施された会計監査の結果も報告された。案件は異議なく了承され、総会に上程される。
(2) 報告事項等
   川隅専務理事から、次の4点について報告があった。
 @新型コロナウイルス感染症の影響による休業に伴い、報酬が急減した者の標準報酬月額の改定にかかる特例措置A前記特例措置にかかる日本年金機構の周知方法B総会等における書面審議にかかる大阪連合会の規約変更C4月27日に開催を予定していた「あしたの健保組合を考える大会PART5」は、現状、10月3日(土)にあらためて開催することを予定