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令和2年度(2020年度)の健康保険組合予算編成等事務説明会が1月16日、大阪市中央区の大阪商工会議所 国際会議ホールで開かれた。健保組合の2年度予算編成を直前に控え、この日の説明会には、大阪、福井、滋賀、京都、兵庫、奈良、和歌山の2府5県から269組合、619人の健保組合役職員が出席した。説明会では、近畿厚生局健康福祉部保険課の係官が、2年度予算編成および健保組合事務の留意事項などを説明した。 |
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森脇副会長 |
午前・午後の2部制で行われた予算編成等事務説明会では、午前の部で健保連大阪連合会副会長のパナソニック健保組合・森脇紳二専務理事、午後の部で同副会長のクボタ健保組合・片桐均常務理事があいさつした。
近畿厚生局からは、久保西美代子健康福祉部保険課長が出席してあいさつ。網倉勝幸課長補佐が、予算編成基準の一部改正の要点と、令和2年度予算編成にかかる留意事項等について、藤岡竜也社会保険監査専門官が、予算書の提出および記載上の留意事項等について、それぞれ説明した。
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片桐副会長 |
森脇氏は、「国民皆保険は、医学等の技術の進歩・発展と、高齢者人口の増により医療費が年々増加し、また、支え手である現役世代の減少とともに、財政的に制度の存続が危ぶまれる状況である。昨年、厚労省が公表した2018年度の概算医療費によると、国民医療費は、42兆6000億円と前年比3400億円増となっている。診療報酬改定の影響もあり、伸び率は近年の2%に比べて低くなっているが、75歳以上の医療費については、高齢化の影響もあり2.4%増となっている」と述べた。
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久保西保険課長 |
片桐氏は、「団塊の世代が後期高齢者に入り始める2022年度から医療費が急増することは明白であり、給付と負担の面で、今の構造が崩れて新たな財政問題に直面する。現役世代や企業の保険料負担は限界に達しており、さらなる負担増は健保組合の解散につながる。これは、医療保険者である健保組合が取り組むべき加入者の健康づくりに貢献できなくなるどころか、国民皆保険制度そのものが危機に陥ることになる」と述べた。
また、両氏ともに、「健保連として、直面する問題を一般の方々にわかりやすく伝えることが重要と考え、昨年9月には2022年危機に向けた提案を公表した。こういった活動の結果、我々の主張がマスコミに取り上げられ、世論に少しずつ影響を与えることとなり、全世代型社会保障検討会議において、75歳以上の高齢者医療費の窓口負担の引き上げなどの政策が議論された。今年は、これまで以上に健保組合と健保連が一致団結し、60年近く続いてきた国民皆保険制度を守るとともに、それを支えてきた健保組合をより発展させるため、積極的な活動、主張をしていかなければならない重要な年と考えている」と力を込めた。
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網倉課長補佐 |
久保西氏は、「令和2年度の予算編成通知には、重点事項として、@保険料率A保険料額の負担割合B法定準備金C一部負担還元金D保健事業E保険給付の適正化の取り組みF事務処理体制G共同事業の推進H個人情報の流出防止のための対策―と大きく9つの項目があげられている。また、重点事項への取り組みや、予算の計上において留意するポイントとして、@11月に運用が開始される電子申請環境の整備に伴う事務費の計上A4月実施の被扶養者の国内居住要件等の把握にあたって、検認費用や例外該当者の把握管理に関する費用の計上
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藤岡社会保険監査専門官 |
B特定健診・特定保健指導について、保険者ごとの数値の公表や、加算・減算制度を踏まえ、計画的に実施率向上への取り組みを行うことが必要Cデータヘルス計画の実施にあたって、効率化のため事業主とのコラボヘルスに取り組むことが重要D昨年度の介護納付金について、納付猶予を利用した組合や、一般勘定からの受け入れにより対応した組合は、適切な予算計上が必要―などがあげられている」と述べた。 |
日 時 |
1月16日(木) |
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会 場 |
大阪商工会議所 「国際会議ホール」 |
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内 容 |
○令和2年度健康保険組合 予算編成事務等の説明 |
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・あいさつ |
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近畿厚生局 健康福祉部保険課 課長 久保西 美代子 氏 |
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・令和2年度予算編成にかかる留意事項等 |
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近畿厚生局 健康福祉部保険課 課長補佐 網倉 勝幸 氏 |
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・予算書の提出および記載上の留意事項等 |
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近畿厚生局 健康福祉部保険課
社会保険監査専門官 藤岡 竜也 氏 |
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出席者 |
269組合 619人 |
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(内訳) |
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大 阪 |
166組合 |
419人 |
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福 井 |
7組合 |
11人 |
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滋 賀 |
9組合 |
17人 |
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京 都 |
27組合 |
56人 |
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兵 庫 |
53組合 |
99人 |
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奈 良 |
2組合 |
6人 |
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和歌山 |
5組合 |
11人 |
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