広報誌「かけはし」

■2020年2月 No.581
 
投稿 言わしてんか!聞いてんか!

●健保の本領発揮
 

 令和になってはじめて年が改まりました。今年は子(ね)年でえとはじめ。人口減少・少子高齢化時代に対応した全世代型社会保障制度改革を始める時が来ました。
 この改革では、私たち健保組合の本領を発揮することが大切なのではないか? と思っています。辞書によると、「本領」とは自らが持つ本来の能力や特性、「発揮」とは外側に表し出すこと、とあります。
 私たち健保組合が保険者機能を存分に発揮することが、社会保障制度改革をよい方向に進めていくことにつながるのではないでしょうか。釈迦に説法ですが、私たちは加入者から保険料を徴収し給付して、適正な医療を受ける環境を整えること、保健事業を通して加入者の健康づくりに寄与することに、事業主と力を合わせて取り組むことができます。
 2020年はいよいよ東京オリンピック・パラリンピック開催で、皆さんのスポーツや健康への関心が高まる年であり、また、世界から日本が注目される年でもあります。
 健康保険がこれほど注目されることはこれまでなかったと思います。私たち健保組合が一つひとつの仕事を考えながら着実に進め、発信していけば、必ずやよい制度改革が成し遂げられると信じています。

(第1地区 M・T)

   
●ご存じか?世代間の負担
 

 ある病院の待合室、高齢者が診察の順番待ちをしている。耳に飛び込んでくるのは、「どれだけ医者にかかっても治療費はあまり必要ないから」「先日入院したけどそんなにかからなかった」「○○さん今日は来てないけど、どこか悪いのかね」云々とワイワイ・ガヤガヤ。
 「病院待合室のサロン化」という言葉を知ったのは、1970年代頃であるが、いまだにその風潮は続いているようだ。高齢者の医療費に関する意識は今も昔も変わっていない。というより費用負担の仕組みをご存じないのではとすら感じる。
 高齢者の医療費は、一部の地方自治体に続き、国も1973年に無料化に踏み切った。高度経済成長期が終わり、80年代に一部自己負担が導入されたが、高齢化の進展でお年寄りの受診率、医療費は急激に伸び、国民皆保険制度の根幹を揺るがしかねない事態となっている。
 高齢者の医療費について、本人負担に関する情報はよく見聞きする。一方で、医療費全体の財政負担、保険者間の財政調整など、負担の仕組みや世代間の負担のアンバランスに関する情報の少なさは驚くばかりである。その実態を承知しているのは、医療保険従事者だけではないかとさえ思える。
 本人の医療費負担割合のみを論ずるのではなく、医療費負担全体の「からくり」について、各健康保険の加入者が一様に理解できる情報の展開が重要だと考えるのだが…。

(第2地区 影法師)

 
●特定保健指導で悩んでます
 

 皆さん、特定保健指導で悩んでいませんか。私も事業所と連携しながら推進していますが、ここにきて閉塞感を感じています。マンネリ化、リピーターの多さ、効果が出ない、高いコストなどの問題です。なぜ高いお金を掛けているのに、お願いして指導を受けてもらうのか、矛盾を感じます。対象者の健康のためなのに。
 最近は健康スコアリングレポートが来たり、特定保健指導の実施率が公表されたりで、率を上げることに躍起になっている自分に対しても、本質を忘れているなと、ふと思うことがあります。
 何かいい解決策はないかと他健保さんとも話しますが、やはり王道はないようです。コラボヘルスが鍵といいますが、なかなか理想論だけではうまくいきません。
 特定保健指導以外にも多くの仕事があり、こればかりに精力を注ぐわけにはいきません。もちろん、特定保健指導は対象者を減らし、将来にわたって医療費を削減するものと理解はしていますが、同じ悩みをお持ちの方もおられるのではないかと思います。せめて対象者が特定保健指導を受けることが義務であればと思いますが。

(第3地区 T・K)
 

 
投稿規定
「言わしてんか!聞いてんか!」
500字以内。見出しも付けてください。原稿を添削する場合があります。
イラスト、写真も歓迎します。
原則として、投稿者の「所属組合名と実名」を掲載。匿名希望(イニシャル)の場合も、原稿には「所属組合名と実名」を明記してください。
原稿は地区会の広報委員へ送ってください。
問い合わせは、健保連大阪連合会事務局へ。(06-4795-5522)