広報誌「かけはし」

■2020年2月 No.581
健保問答 

第 472回

     
Q
   変形性膝関節症の治療用装具として、両足底装具(インソール)の療養費支給申請がありました。
 装具の意見書を作成した整形外科には継続して通院していますが、3年前にも同様の申請があり給付しています。
 今回は日常用とも考えられますが、支給してもいいでしょうか。

A
   治療用装具で支給対象となるものは、疾病または負傷の治療のために必要な範囲のものに限られ、日常生活や職業上の必要性によるもの、あるいは美容の目的で使用されるもの、また、たとえ心身の障害による生活の不便を緩和するものであっても、それ自体が傷病の治療を目的とするものでない場合は、支給対象とならないとされています。
 今回のインソールが当該傷病の医学的な治療遂行上必要な範囲であり、装具装着による治療効果が望める場合は、療養費としての給付が妥当と考えられます。
 健康保険法第87条第1項は、「保険者は、療養の給付等を行うことが困難であると認めるとき(略)、保険者がやむを得ないと認めるときは、療養の給付等に代えて、療養費を支給することができる」と規定しています。これに基づき医師が治療上必要であると認め、業者の作製した治療用装具を患者に装着させた場合には、当該装具購入のため患者が負担した費用は、その費用の範囲内で療養費の支給対象となるとされています。
 なお、その対象となるか否かの判断は、医師照会等を行い、治療内容や治療頻度から、治療遂行上、必要不可欠な範囲のものであるかどうかが審査のポイントとなります。