広報誌「かけはし」

■2020年1月 No.580
 
投稿 言わしてんか!聞いてんか!

●三つの驚き
 

 今秋、禁煙に積極的な取り組みが見られなかった事業主が一転、改正健康増進法の全面施行を見据えて、就業時間内の禁煙、喫煙場所の廃止、喫煙マナーの徹底等に踏み切りました。これが最初の驚きです。
 その後、利用が低迷していた禁煙外来の補助金制度が脚光を浴び、特定保健指導への波及効果やコラボヘルスの観点より追加施策を検討していたところ、新聞に掲載された禁煙プログラムの記事とデジタル薬なる言葉に目が留まりました。デジタル薬とは、スマホアプリに搭載されたデジタル技術により、AIが患者の状態に合わせて助言や励ましの言葉を届けて喫煙習慣を改めること等を称し、一般薬と同様に臨床試験も実施されているようです。これが二つ目の驚きです。
 記事に掲載された東京の会社に問い合わせると、即「翌日○時でどうでしょう」と回答が来たので「大阪に営業がいた」と喜ぶも、よく聞くとTV電話で説明するとのこと。思わず「この営業はあかん!」とぼやく自分を省みて、デジタル化に乗り切れない自分を発見。これが三つ目の驚きでした。
 しかし、TV電話ではやはり熱意や微妙なニュアンスが伝わりません。ICT導入もこの辺りのバランスが大切と感じました。

(第4地区 T・Y)

   
●保険制度のゆくえ
 

 日本の平均寿命は、世界でもトップクラスです。それを実現しているのが、国民皆保険制度でしょう。国民は原則全員が健康保険に加入し、医療費の1〜3割を支払うだけで医療を受けられるすぐれた医療制度です。
 しかし、健康保険料率の2019年度平均は、9.218%と過去最高に達しています。日本では良質な医療を低コストで受けられるが、医療費増加で医療保険制度の存続が危ぶまれる状況です。制度を維持し続けるためには、私たちは、何をすれば?
 日本の医療費は、毎年1兆円を超えるペースで増え続けていますが、その主な要因は、高齢化です。医療機関にかかりやすい高齢者が急速に増えており、医療費全体の約6割を高齢者が使っている状況です。さらに、少子化による現役世代の減少によってますます財源が厳しくなるというダブルパンチに見舞われています。
 このまま医療費の増加が続けば、健康保険料がさらに上がっていくのは必至です。医療保険制度を維持できるようにするのは政府の責務だが、恩恵を受けている私たちも無関心ではいられません。一人ひとりが考えて少しずつ意識や行動を変えて、大きな流れにすることが必要でしょう。

(第5地区 H・Y)

 
●第2の人生
 

 「第2の人生」を辞書で調べると、「これまで歩んできた半生の営みに区切りをつけ、新たな環境あるいは新たな心持ちで人生を歩み始める。一般的には、定年退職して仕事人生を終え、悠々自適の生活を始めるという意味で用いられることが多い」とあります。直近の健康寿命(2016年時点)を見ると、男性で72.14歳、女性で74.79歳。単純計算では、65歳で仕事を終えて健康な「第2の人生」は7年程度となります。
 現在「人生100年時代」に向けて定年年齢引き上げ・高齢者の就労支援、年金支給開始年齢の引き上げ等々が検討されていますが、健康年齢の引き上げ目標は2040年でプラス3歳にとどまっており、健康で余生を送れる期間が短くなってしまう可能性があります。
 昭和・平成を30年生きたので、令和も30年生きてトリプルサーティーを目指そうと還暦同窓会では盛り上がったのですが、実際は夢に描いていた「悠々自適な第2の人生」を迎えることはできるのか?というところです。
 いずれにしても、今年1年元気で仕事も自分や家族の時間も大切に過ごせるよう、健康に留意して頑張ろうと誓った今年の正月でした。

(第6地区 S・T)
 

 
投稿規定
「言わしてんか!聞いてんか!」
500字以内。見出しも付けてください。原稿を添削する場合があります。
イラスト、写真も歓迎します。
原則として、投稿者の「所属組合名と実名」を掲載。匿名希望(イニシャル)の場合も、原稿には「所属組合名と実名」を明記してください。
原稿は地区会の広報委員へ送ってください。
問い合わせは、健保連大阪連合会事務局へ。(06-4795-5522)