広報誌「かけはし」

■2019年12月 No.579
 
投稿 言わしてんか!聞いてんか!

●憲法違反?
 

 元号が「平成」から「令和」へと、消費税率が「8%」から「10%」に変わった2019年も、残すところあとわずかとなった。年が明ければ、すぐに令和2年度の予算編成に取り掛からねばならないが、依然として健保組合の財政に重くのしかかる「前期高齢者納付金」と「後期高齢者支援金」にまた頭を悩ますこととなる。
 この納付金・支援金は、各保険者に納付された保険料を財源とするものであるが、受益と負担との関係が明確ではない。
 保険者間の財政調整・公平の観点から法律の規定に基づいて強制的に課される特別の公的負担であり、租税に類する「公課」に該当するという説もある。
 過去において、老人保健拠出金制度等をめぐって負担の程度が合理的な範囲を超え、過度のものとなって各保険者の存立と安定運営を阻害する程度・水準のものとなる場合には、財産権を保障した憲法第29条の規定に触れる可能性があるとして違憲訴訟の提起が検討されたこともあったとか…。
 高齢者医療制度の見直しが一向に進展しない状況に、今一度、憲法違反の訴訟提起を検討してみてはどうかと過激に考えてしまうのは私だけ?

(第1地区 K・F)

   
●多剤服用にはご注意を
 

 高齢者の服薬に関する番組をテレビで見たことをきっかけに、「ポリファーマシー」という言葉を知りました。
 必要以上の医薬品を服用している状態を指し、特に高齢者においてポリファーマシーが問題となっています。高齢者は複数の疾患にかかっていることが多く、薬の数が増える傾向にあります。高齢者は代謝が衰えて臓器が弱っており、体に大きな負担をかけることになるためです。最新の研究では、6種類以上の服薬で記憶力が低下するなど、副作用のリスクが高まることも分かっているそうです。
 ポリファーマシーへの対策は、すでに国や医療機関では始まっています。私たち薬を処方される側も、お薬手帳やかかりつけの薬剤師・薬局を持ってチェックするなど、日ごろの心がけが大切です。
 とは言え、私も久しぶりに病院のお世話になると、お薬手帳を忘れてしまうことが多いです。電子お薬手帳のサービスも普及しているようですので、これを機に利用を始めてみます。また、後期高齢者の母親が近頃、体の不調を訴えることが多くなりましたので、帰郷した折には飲んでいる薬の数を確認しようと思います。
 不必要な薬の服用が減れば、健康被害を防止できる上に医療費の削減にもつながります。財政難に苦しむ健保組合のためにも、ポリファーマシーへの関心が高まってくれればよいのですが。

(第2地区 M・N)

 
●複雑な心境…
 

 保険料、保険給付費、納付金等の毎月の状況資料を見るたびに言いたくなる「納付金さえなければ、せめて半分になれば、組合の財政(収支)が楽になるんだけど…」。社会保障制度の一部を担っている立場からは禁句なのでしょうか。
 医療制度設計がこのままでは、健康保険組合の存続に課題が残ります。公的資金のさらなる投入や自己負担割合の引き上げなどにより、何とか「高齢者医療にかかる納付金」等を減らせるような制度にしてほしいものです。
 しかし、いざ自分が「後期高齢者」になったときを想像すると、自己負担が少しでも少ない方がありがたい。数年後に後期高齢者になる私にとって、現在非常に複雑な心境です。
 その歳になって現在の制度が続くのであれば「医療費は公費の投入や現役世代の納付金のおかげで、自己負担が1割で済んで良かった」と感じるでしょう!
 でも、「ちょっと肩が痛いので湿布薬をもらったけど、1割で済んだのは果して良かったのだろうか」と思うのかどうか、全世代型社会保障検討会議の検討状況を「複雑な心境」で見守っている今日この頃です。

(第3地区 H・U)
 

 
投稿規定
「言わしてんか!聞いてんか!」
500字以内。見出しも付けてください。原稿を添削する場合があります。
イラスト、写真も歓迎します。
原則として、投稿者の「所属組合名と実名」を掲載。匿名希望(イニシャル)の場合も、原稿には「所属組合名と実名」を明記してください。
原稿は地区会の広報委員へ送ってください。
問い合わせは、健保連大阪連合会事務局へ。(06-4795-5522)