広報誌「かけはし」

■2019年7月 No.574



 6月12日、定例の理事会を開催し、中央情勢報告を中心議題として審議した。

1. 中央情勢

(1) 政策実現活動等
   @高額薬剤「キムリア」が保険収載されたことにあわせて、健保連と協会けんぽが共同で記者会見を行った。適正な価格での収載は重要であり、個人で負担しきれない部分をカバーすることは、共助である医療保険制度の責務。一方、危機的状況な医療保険財政を踏まえると、公的医療保険の給付範囲については、適用除外も含めて見直しを検討することが喫緊の課題であるとされた。
 A健保連本部では、各政党との政策懇談会を順次実施している。5月28日に野党3会派(立憲民主党、国民民主党、社会保障を立て直す国民会議)と実施し、2022年危機の状況と対応について説明し、保険給付範囲の見直し等など活発な質疑が行われた。
 B5月15日、健康保険法等の一部を改正する法律案が、参議院の本会議で可決成立された。さらに附帯決議も採択されている。そこには、総報酬割導入により財政負担が増加しているなか、財政状況が非常に厳しい健保組合に対する必要な支援を検討すること、介護納付金の事務誤り事案を踏まえ、保険者等と密接な連携を図りながら再発防止に向けた取り組みを進めること――等が盛り込まれた。
 C参議院選挙に向けた各政党の選挙公約に対して、健保連の主張を反映するため、健保連本部から各政党にアプローチを行っている。
(2) 地域医療構想の動向等
   医師の働き方改革や偏在対策を勘案したものを策定していく。しかし、直近の動きでは、病床転換についての具体的な対応方針が進んでいない状況にある。国としては、公立病院や公的病院を中心に検討を加速させる意向。2019年の半ばまでに、すべての医療機関の診療実績データを解析する。参議院選挙後にはデータ分析を行い、それを踏まえて統合・再編を図るなどを調整会議で議論し、合意を得るよう国から都道府県に要請する。
(3) ICT関係
   5月27日にICT委員会を開催。厚労省から次の4点について説明があった。@2020年6月更改予定の中間サーバーのリプレイスにあわせ、今までの要望を踏まえて改善を検討しているAオンライン資格確認は2021年3月から段階的に開始される。例えば、健保組合からの要望である「マイナンバーカードと保険証併用時の対応」についても検討が進められているBシステム運営負担金については、2019年度のクラウド化により、従来の更新積立金が廃止されるが、メンテナンス費用2.96円(前年5.86円)は発生するC厚労省による全国説明会を開催
(4) 医療費の動向
   2017年度の概算医療費で、75歳以上の総額は16兆円。前年度より6800億円増加している。2022年度にはおよそ1兆円規模になることが想定されている。
 また、受診延べ日数については、厚労省の推定で2025年にピークアウトするといわれているが、すでに減少傾向にある。一方、調剤については、年々増加している。
(5) 2022年対策PT
   対策の進め方、考え方として@しっかりと関係者に認知してもらうことA対応策を策定し訴えることB健保組合の価値を内外にアピールする――がある。この流れを理解していただいたうえで、健保連が準備する健保組合の価値(保健事業)に関するリーフレットを活用していただきたい。
(6) 2019年度の円滑化補助金(案)
   基本的な考え方として、財政当局からの指摘を踏まえ、予算規模に応じた執行とするため、既存分と新規分が重複する部分を新規分で助成することとし、実質上の助成規模を維持する。また、前期高齢者納付金の単年度の急激な伸び等に着目した負担軽減を設ける。

2. 本部委員会報告

 診療報酬対策委員会が5月27日に開催された。支払基金改革やオンラインによる再審査等請求の推進と効果的なレセプト点検について、療養費の審査支払における第三者機関への委託について検討された。
 交付金交付事業委員会が5月20日に開催された。組合運営サポート事業が8月から実施されることや、財政支援、組合財政支援交付金交付事業の見直しについて検討された。
 ICT委員会が5月27日に開催された。健保組合のICT基盤の利活用について検討された。

3. 大阪連合会活動

(1) 委員会報告
   広報委員会を5月22日に開催し、かけはし6月号の編集概要について報告された。
(2) 報告事項
   川隅専務理事から、7月24日開催の「永年勤続者表彰式」と「決算総会」について説明があった。表彰の該当者は、28組合53名となっている。健保連本部から、河本常務理事、森岡総務理事が出席予定。総会終了後には、中央情勢報告と、支払基金大阪支部の山本支部長からの話がある。