広報誌「かけはし」

■2019年3月 No.570
 
投稿 言わしてんか!聞いてんか!

●治療用(?)装具
 

 近年、厚生労働省社会保障審議会医療保険部会療養費検討専門委員会(長い!)(笑)において、柔整をはじめとする療養費の問題・課題について審議され、国レベルで適正化に向けて本腰を入れ始めた感があります。
 当組合においても、以前から柔整・あはきについては、厳正に対処しています。しかし、装具に関しては審査が難しく、対応に苦慮していたところです。このままでは(自称)健保のプロとしての名折れと思い、装具について一から勉強し、詳しくなったつもりですが、逆に疑問は深まるばかり…。
 ご存知のとおり、療養費は療養の給付に代えて支給する(健保法第87条)ものであり、装具については、療養の給付のなかの治療材料(健保法第63条)に相当する場合に支給対象となります。
 当組合では、2018年4月より、装具申請の際に患者確認書なるものを添付していただき、審査していますが、そのなかでも申請の多い足底装具(インソール)の回答内容の一部をご紹介します。
 問:装具装着についての医師からの指示について 答:「スポーツをするときに装着すること」「長距離歩くときに装着すること」「装着後は受診不要」「もし痛くなったら来院すること」等。これって…。
 QOL(生活の質)の改善が目的で、かつ、医師による治療効果の確認もありません。では不支給にしたらよいとは思うのですが、患者に罪はないような感じで悩ましいところです。
 皆さん、どう思われますか?

(第4地区 ピロリ菌)

   
●未来ある健康保険制度へ
 

 私たち日本の健康保険制度は、大正11年(1922年)に制定され、施行は昭和2年(1927年)であり、昭和36年に現在の国民皆保険制度の姿になりました。また、私の勤める健保組合も85周年を迎えることができ、健保組合が長く運営できていることに、これまでの先輩諸氏のおかげであると、とても感謝しています。
 現代は、超高齢社会、少子化、労働力不足とかさかんに話題にされ、健康保険制度も革新が必要なときになっているような気がします。子孫のためにこのすばらしい制度が今後も良い方向へ維持できるように、いまこそ踏ん張るときだと思っています。今後も加入者が健康に生活できることは健保組合の願いです。
 5月には元号が平成から新しくなります。元号が変わっても、公平で世界に誇れるこのすばらしい健康保険制度が続き、さらに発展していくように望みます。
 最後に少しだけ言わしてもらいますが、「不適切な統計調査」なんてあってはならないことだと思うんですが…。日本の明るい将来のために!

(第5地区 M・M)

 
●便利さと運動不足
 

 現生人類であるホモ・サピエンスが誕生して20万年以上経つといわれています。日々、食料を確保するため野山を駆け回る生活が何十万年と続いたことで、体は常に動き回れるよう進化してきたようです。
 ところが現代人は、食べたい物は手軽に手に入り、移動は電車や車、買い物すらスマホで指1本あれば事足りる、極めて便利な環境にあります。人類の長い歴史からは、ほんのつい最近のことで、この急激な変化に私たちの体は、まだ適応できていないようです。その結果が「運動不足」となり、「生活習慣病」といわれる各種疾病を引き起こす一因にもなっていると思われます。
 一方、健康を維持しようとする人は、スポーツジムやウオーキングなどで貴重な時間を割いて努力しています。
 一度便利な生活に慣れてしまえば、なかなか元に戻れないのが人間の常。ならば現在の食生活や運動不足にも耐えられるよう、早く進化してくれればよいのですが、現在生きている誰一人としてそれまでは待てません。
 この先、健康長寿を目指すならば、便利さゆえの運動不足を解消する努力を続ける必要があるようです。便利なのか不便なのかよく分かりませんが。
 江戸時代の儒学者である貝原益軒先生は、「命の長短は身の強弱によらず、慎と慎しまざるとによれり」(養生訓)といわれています。まずは、便利さの欲望に流されず「慎むこと」も大切ではないかと思います。

(第6地区 M・K)
 

 
投稿規定
「言わしてんか!聞いてんか!」
500字以内。見出しも付けてください。原稿を添削する場合があります。
イラスト、写真も歓迎します。
原則として、投稿者の「所属組合名と実名」を掲載。匿名希望(イニシャル)の場合も、原稿には「所属組合名と実名」を明記してください。
原稿は地区会の広報委員へ送ってください。
問い合わせは、健保連大阪連合会事務局へ。(06-4795-5522)