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健康保険組合の拠出金等(2019年度予算ベース) |
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2019年度の健保組合に課せられる拠出金は、後期高齢者支援金、前期高齢者納付金を合わせて3兆4100億円となった。2018年度は3兆4500億円であり、表面上は対前年度比▲400億円である。しかし、この3兆4500億円には、解散を決議した大型健保組合の拠出金が約700億円含まれている。つまり、この700億円を引いた額が2019年度の増減額となり、実際は300億円の増加となる。
協会けんぽについては、拠出金総額(精算額含む)は、3兆6100億円となり、対前年度比1100億円の増加である。ただし、前述のとおり、解散健保組合が協会けんぽに移ることで700億円が加算されるため、実質は400億円の増加となる。
また、介護納付金については、対前年度比600億円増の9200億円となっているが、解散健保組合の180億円が含まれているため、実質780億円の増加である。総報酬割が4分の3に引き上げられたこと等が大きな増加の要因である。ここに、激変緩和措置として、約100億円の補助が計上されている。 |
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新しい経済政策パッケージに基づく介護職員の更なる処遇改善 |
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今年10月に消費税増税が予定されており、それに伴う介護報酬の改定は、プラス0.39%といわれている。これに加えて処遇改善の内容が検討されている。
財源は、公費1000億円、保険料1000億円の計2000億円である。勤続年数10年以上の介護福祉士の賃金が、全産業平均より月額8万円ほど低いというデータに基づき、それを補填するという意味で処遇を改善する。「8万円×12カ月×該当するのが20万人」で、約2000億円となる。ただし、経験・技能のある介護職員以外の職員にも幾分かが配分される予定。
この処遇改善を加味すると、介護報酬の改定は、実質的にはプラス2.1%となる。 |
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2022年に向けての対応(案) |
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昨年は大型健保組合の解散決定など、健保組合の現状が注目されたが、政局の影響もあり、改革は先送りされている。一方、今後2、3年は後期高齢者の伸びが鈍化し、拠出金負担の伸びも小さくなることで、世間の注目度、危機意識が低下するおそれがある。
しかし、2022年以降は団塊の世代が後期高齢者に入り始めることにより拠出金負担が急増することで、健保組合の解散リスクも急増する。この状況を「2022年危機」として、広く内外にアピールし、負担構造改革の実現を進めることが必須である。
具体的な進め方として、要求実現対策本部(常任理事会)において、対応案の審議・検討を行う。また、健保連本部に、部門横断的なプロジェクトチーム(@2022年対策プロジェクトチームA保険者機能支援強化プロジェクトチームB渉外連絡チーム)を設置し、対応案の検討と準備にあたる。 |
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その他 |
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@通常国会が1月28日に招集されている。厚労省が提出しているなかで、健康保険法の一部を改正する法案も含まれているため注目したい。予算の関連法案は2月中旬に、予算に関連しないものは3月上旬に閣議決定され、法案が提出される。
A保険者別に、2017年度分から特定健診・特定保健指導の実施率が公表される。2月上旬に厚労省の集計が完了し、3月中には厚労省ホームページで公表するというスケジュールである。 |