広報誌「かけはし」

■2018年12月 No.567


 健保連大阪連合会は11月17日、大阪市北区の常翔ホールで、「健康みらいトークin大阪」を開催した。この催しは、健康や医療など身近な問題を、広く一般の方がたに考えてもらおうというもの。この日は、市民ら520人が参加。元プロ野球選手で野球解説者、スポーツコメンテーターの赤星憲広さんによるトークショーや、国会議員を交えた対談が行われ、会場を埋めた参加者に、日本の医療保険制度や健康の大切さを呼びかけた。
小笹定典大阪連合会会長
 「健康みらいトークin大阪」は、健保連が推進する“あしたの健保プロジェクト”の一環として開かれた。医療、医療費、健康など、身近で切実な問題を、広く一般の方がたにあらためて考えてもらおうというもの。今回のテーマは「健康寿命を延ばそう」である。
 このような大阪連合会主催の一般向けイベントの開催は3回目となる。この日は、健保組合関係者はもとより、大阪はじめ近畿各府県から市民ら520人が参加した。
 健康みらいトークin大阪は、大阪連合会の小笹定典会長のあいさつで開会した。小笹会長は「少子高齢化により、わが国は厳しい時代を迎えようとしている。平均寿命をみると、男女ともに世界でも上位であるが、これからは、元気で健康に暮らすことができる健康寿命を延ばしていくことが重要となる。そして、健康でいること、元気でいることは、増え続ける医療費を抑えることになり、わが国が世界に誇れる皆保険制度を維持するとともに、皆さんの『幸せ』につながることと思う」と述べた。
トークショー 「野球から学んだこと」
赤星憲広さん
 赤星憲広さんによるトークショーは、フリーアナウンサーの宇野悦加さんとともに行われ、テーマは「野球から学んだこと」。赤星さんは、野球のほかにサッカーにも熱中する少年時代を過ごした。 そして、JR東日本での社会人野球を経て阪神タイガースに入団。1年目から盗塁王を獲得し、新人王、ゴールデングラブ賞も受賞した。 なお、盗塁王はこの年から5年連続での受賞である。野球選手としては恵まれたといえない体格ながらも、自らの栄養管理などにより脚力を強化した。 こういった経験から、食事や運動、健診結果を知ることの重要性を説いた。
対談 「健康寿命延伸のために」
 トークショーに続いて行われた対談のテーマは「健康寿命延伸のために」。コーディネーターに梅村聡氏(医師、前参議院議員)。太田房江氏(参議院議員 自由民主党)と赤星さんを迎えて行われた。
 梅村氏は、まず、日本の医療費が増加している現状について、「日本の医療保険制度は皆保険制度であり、すべての国民が自分の選択で医療機関を同じ条件で受診できるもの(フリーアクセス)である。しかし、医療費の増加に伴い、制度が維持できない可能性がある。この制度を維持するためには、一人ひとりが健康であり続け、医療費の増加を防ぐことが重要である」と述べた。その解決策として「かかりつけ医をもつこと、ジェネリック医薬品を使うこと」などを推奨した。

 
梅村 聡 氏
次いで、太田氏は健康を維持するために「大阪府民の健診受診率が低いことに心配している。定期的な健診により病気の早期発見や治療につながるため、健康寿命を延ばすには、まず健診受診率の向上が必要」とした。これに対し赤星さんは「健診を受けることで、自分自身の状態を把握することができ、その改善策も考えられる」と同意した。
 さらに梅村氏は「日本のがん検診受診率が低いので、ぜひ厚労省が推奨する胃がん、大腸がん、肺がん、乳がん、子宮がんの検診を受けて欲しい」とし、太田氏は「女性の健康のためには、乳がんや子宮がんの検診を必須項目にすることを検討し、がん検診の受診率を高める努力をしたい」と述べた。
太田 房江 氏

 そして梅村氏は「日本の皆保険制度を将来世代に残さないといけない」、赤星さんは「そのためには健診を受けて、一人ひとりが健康寿命を延ばしましょう」と会場に訴えかけた。
 最後に太田氏は「人生100年時代といわれるなか、年齢を重ねても健康を維持し、働いていくことが求められている。日本の医療保険制度を守るため、皆さんのために政治を続けたい」という決意を述べ、対談はまとめられた。
河本滋史健保連常務理事

  そしてイベントの締めくくりには、健保連の河本滋史常務理事が閉会のあいさつを行った。河本常務理事は、「皆保険制度を維持するためには、国民一人ひとりが日頃から健康に留意することが重要であり、それが本人や家族にとって幸せな健康寿命を延ばすことにつながる。ご参加いただいた皆さんにおかれては、本日のみらいトークが、今後の生活のなかでご自身の健康や皆保険制度の大切さについて考える一助になれば、この上ない喜びである」と伝えた。