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10月24日に召集された臨時国会における安倍首相の所信表明演説に「少子高齢化という最大のピンチをチャンスに変えることができるはず」との発言があった。
これを受け、来年10月に予定されている消費税率10%への引き上げにあわせて、幼児教育の無償化や、「生涯現役社会」の実現に向けた65歳以上の高齢者の雇用拡大などの「全世代型社会保障」への改革が示された。
さて、現役世代が負担している高齢者医療への拠出金は増加の一途を辿り、限界を超えようとしている。今、わが国の皆保険制度の支え手を増やすための改革は必要である。元気な高齢者が働き、皆保険制度を支えていただくには、健康寿命の延伸は欠かすことのできない課題と分かる。
健保組合は、増加する医療費に対応するため、日々、特定健診や特定保健指導、データヘルス計画などの取り組みにより、疾病の予防、重症化の予防に尽力している。現在の厳しい財政状況のうえにたっても、将来にむけて、年齢を重ねても健康でいられるための取り組みといえるのではないか。まさに、健康寿命の延伸そのものである。
このような背景のもと、健保連大阪連合会は今年も11月17日に「健康みらいトークin大阪」と銘打ち、健保組合関係者はもちろん、一般の方を対象としたイベントを開催した。だれでも自分のやりたいこと、興味のあることは、生涯続けていくことを望んでいるのではないか。そのためには、今の生活習慣を振り返り、どのようにすれば健康になれるのだろうか、健康を維持できるのだろうかを考えることが重要である。
テーマは、ずばり「健康寿命を延ばそう」。健保組合関係者はこの大切さを十分認識したテーマであるが、一般の方々にも広く知ってもらいたかった。
今回は、関西では馴染みのある国会議員や元有名スポーツ選手を招いて、各々の健康を保つ秘訣(ひけつ)を語っていただいた。著名人の話には興味を持ち、自分の生活に取り入れるきっかけにもなるのでは、との狙い。参加者の皆様には、自分の生活を見直す機会や、健康でいることのメリットを、多少なりともお持ち帰りいただけたのではないかと感じている。
健康に関する情報は、常に我々の周りにあふれかえっている。そのなかから、自分に合った情報を取捨選択し、活かすことこそ、健康寿命を延ばすという課題への第一歩となる。自分だけでは踏み出せない人は、まずは健保組合をはじめとした保険者等の取り組みに参加したり、実際に健康な生活を送っている人に倣(なら)ってみたりと、方法は少なくないはずである。
一人ひとりの小さな積み重ねが、世界に冠たる日本の皆保険制度を、今後も順調に発展させていくことにつながるものと確信する。
平均寿命が世界トップクラスである日本において、健康寿命もその域に達すれば、これはまさに「鬼に金棒」「虎に翼」である。 |
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(M・S) |
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