広報誌「かけはし」

■2018年5月 No.560
 
投稿 言わしてんか!聞いてんか!

●確定申告について
 

 平成29年度の税制改正により、医療費控除の申告手続きに健保組合が交付する医療費通知を、従来の医療費の領収証の代わりに添付して申告できるようになり、領収証の5年間保管も省略できるようになりました。
 今年に入って、健保組合へ確定申告についての問い合わせが多く、工夫しながら対応しています。医療費通知は、本来被保険者の医療費に対する意識の向上、診療報酬等の不適切な請求防止等のために、健保組合個々で作成しています。
 毎月発行の組合もあれば半年に1回、年に1回という組合もあります。また、医療費のレセプト(医療機関からの請求書)は、受診月から2カ月後に組合に届きますので、12月分の医療費は、当組合の医療費通知には記載されません。また、負担額が異なる場合がある(公費負担医療や地方公共団体が実施する医療費助成、高額療養費がある場合等)など、説明するのは大変です。
 税務署の手続きは簡素化しましたが、健保組合の事務量はかなり増えました。規模の小さい健保組合の職員は、なんでも対応しなければなりません。今後、被保険者自身がマイナポータルを経由して医療費通知データを取得し、医療費控除の電子申告ができる日が来ることを願っています。

(第4地区 X・L)

   
●「ウェアラブル端末」の効能〜「わかる」だけでなく「かわる」〜
 

 @運動量がわかるAストレス度がわかるB熟睡度がわかる
 これは私が1年間、リストバンド型の「ウェアラブル端末(活動量計)」を使ってみて実感できた効能です。
 特定保健指導の際、生活習慣改善をサポートするためのツールとして、数年前から利用しているもので、昨年、事業主の健康経営推進の一環として全従業員に配布されました。
 心拍数や腕の動きの変化から、歩数、運動による消費カロリー量、熟睡度、ストレス度などがわかります。例えば、ストレス度では「今、緊張していること」、「ストレスを感じる会議」や「リラックスできるポイント」などを自覚することができます。
 でも実は、自覚するだけでなく、行動を変容させることが肝心。つまり「わかる」だけでなく「かわる」ことが重要ですよね。
 @運動量が「わかる」⇒運動量が「かわる」
 例えば、休日に運動不足がちになることがわかったので、近所を散歩する。
 Aストレス度が「わかる」⇒ストレス度が「かわる」
 例えば、リラックス度が高くなるイベントがわかったので、極力そのイベントに関わる。
 B熟睡度が「わかる」⇒熟睡度が「かわる」
 例えば、熟睡できる就寝時の環境や就寝前の行動の傾向がわかったので、熟睡しやすい環境づくりや行動をする。
 その結果、「健康維持・増進・疾病予防ができ、結果的に医療機関に通わずに済んだ。心身ともに活力を持って活動することができた」。
 これがホントの効能ですよね。
 蛇足ですが、飽き性の私が、24時間365日、「ウェアラブル端末」を腕につけ続けられたことは、大きな収穫でした。もう一つの効能は、それにより「意外と自分は継続力があるんだ」ということがわかったことかもしれません。
 今や、「ウェアラブル端末」は、単身赴任で不規則な生活になりがちな私にとってのかけがえのない「相棒」です。
 皆さんも、とっておきの「相棒」を見つけられてはいかがですか。

(第5地区 T・T)

 
●日本の医療保険を再確認!
 

 日本の医療制度は、皆さんご存知のとおり、全国で「誰でも」「どこでも」「いつでも」保険で医療を受けられますが、海外に目を向けると、必ずしもそうではありません。
 先進国のなかでも民間保険中心の国もありますし、無保険の国民を多く抱える国も存在します。個人的にスペインに関心があるので比べてみたら、スペインは、ヨーロッパでも社会保障のすすんだ国のひとつで、社会保険に加入すれば、公的医療機関での診察は無料。ただし、民間保険に入っていないと手術もかなり待たされますし、緊急の場合を除き、地域のクリニックの医師の紹介なしに総合病院を受診できません。また、民間保険の場合でも薬代は保険適用外で全額自己負担。すぐに近所のクリニックに飛び込め、薬も3割負担で処方される日本はありがたい。
 被保険者の皆さんと事業主から納めていただく健康保険料は、医療費の支払いや保健事業、高齢者の医療費を支えるための拠出金に使用されています。しかしながら、国民医療費の総額は毎年1兆円を超えるペースで増え続け、医療保険制度の現状維持が難しくなってきています。維持していくには、超高齢社会に合った制度に変える必要がありますし、一人ひとりが健康への意識を高め、特定保健指導も積極的に受け、日頃から医療費を節約していく意識が大切と痛切に感じました。
 世界に誇れる日本の「国民皆保険制度」を維持するためにも、健保職員である私たち自ら、日々の生活を見直す努力をしてみませんか? 私の場合は、運動はよくしているが睡眠不足なので解消すること、食事はなるべく野菜をとるようにして、リラックスする時間をとり、身体を休めることでしょうか。簡単そうでなかなか実行できないのが現状ですが、皆さんもぜひ、何かできること考えてみませんか。

(第6地区 D・K)
 

 
投稿規定
「言わしてんか!聞いてんか!」
500字以内。見出しも付けてください。原稿を添削する場合があります。
イラスト、写真も歓迎します。
原則として、投稿者の「所属組合名と実名」を掲載。匿名希望(イニシャル)の場合も、原稿には「所属組合名と実名」を明記してください。
原稿は地区会の広報委員へ送ってください。
問い合わせは、健保連大阪連合会事務局へ。(06-4795-5522)