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桜のように開花宣言
〜健保組合のデータヘルス計画〜 |
今年も桜の季節になった。桜を愛でることができる嬉しさ反面、この1年を乗り切るための覚悟を決める時期でもあり、少々複雑である。
新年度予算も決まり、医療費の適正化や加入者の健康保持・増進など、我々はさまざまな事業を展開していく。今年度からは第2期となるデータヘルス計画も始まり、健保組合の取り組みは一層の重要さを増す。
昨年までの3年間は、第1期データヘルス計画作成期間として、「身の丈に応じたデータヘルス」を展開。いきなり新しいことを始めるのではなく、それまでの事業を基本にして、改善を加えながら進めてきた。そして第2期は「本格稼動」と位置づけされている。第1期の結果を踏まえ、PDCAサイクルにより、効果的・効率的な計画を策定することとなる。
第1期でみられたアウトプットやアウトカム指標設定の難しさや、保健事業と評価の紐(ひも)付けなど、スムーズなPDCAサイクルにつながらなかった課題については、厚労省の手引きやポータルサイトの稼動により、以前よりも取り組みやすくなった。
また同時に、事業主とのコラボヘルスも積極的に進めていかなければならない。効果的・効率的な保健事業を実施するためには、事業主との連携は不可欠である。定期的に情報を共有したり、事業実施に対する体制を構築したりすることが重要となる。
コラボヘルス強化を誘導するため、健康経営優良法人認定制度も注目されている。日本健康会議が進める健康増進の取り組みをもとに、特に優良な健康経営を実践している企業等の法人を顕彰する制度である。加入事業所の健康経営促進のため、自らが率先して健康経営優良法人に認定されるよう努力している健保組合もでてきた。
加えて、厚労省が公表したガイドラインには、コラボヘルスに関するチェックリストや実践例などがまとめられており、活用が勧められている。
さらに今年度は、保険者のデータヘルスを強化し、コラボヘルスを推進するため、厚労省と日本健康会議が連携して、各保険者の加入者の健康状態や医療費、健康への投資状況等をスコアリングしたうえ、経営者に通知する取り組みも開始される動きが見受けられる。
これら次々と増える新たな取り組みにより、健保組合加入者の疾病予防・健康増進が進み、伸び続ける医療費の適正化にもつながると信じたい。
我々健保組合は、桜のような美しい花を咲かせ続けるため、昨今の厳しい状況にも負けず、事業主とも協力しながら保険者としての使命を果たしていく。 |
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(M・S) |
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