広報誌「かけはし」
 

■2018年2月 No.557



 1月17日、定例の理事会を開催し、中央情勢報告を中心議題として審議した。

1. 中央情勢

(1) 平成30年度政府予算案
   平成30年度政府予算案が閣議決定された。「経済・財政再生計画」の集中改革期間の最終年度の予算として、経済再生と財政健全化を両立するものとなっている。
 予算のポイントとして、「人づくり改革」「生産性革命」「財政健全化」の3点があげられる。骨太方針や与党の公約等が軸となった。
 一般歳出のうち、医療給付費や介護給付費などの社会保障関係費は、前年度比4997億円増であり、高齢化に伴う自然増を、年間5000億円に抑えるという政府目標は達成されている。なお、一般歳出の半分以上は、社会保障関係費が占める。
(2) 診療報酬等改定
   30年度の診療報酬・介護報酬改定率が決まった。
 診療報酬の内訳は、本体が+0.55%(医科+0.63%、歯科+0.69%、調剤+0.19%)、薬価△1.65%(薬価制度改革の効果含む)、材料価格△0.09%。介護報酬は+0.54%。改定は4月から実施される。
(3) 健保組合に対する助成費
   30年度予算案には、総額802億275万円が計上された。29年度と比べ、14億8739万円の減額である。
 高齢者医療制度円滑運営事業費補助金のうち、特定健診・保健指導データ管理システム等システム改修費が29年度と比べ14億円の減額となった。これは、第3期特定健診・特定保健指導に向けたシステム改修費として、29年度まで助成されていたもの。
 高齢者医療支援金等負担金助成事業費は736.6億円計上されているが、そのなかの短時間労働者の適用拡大に伴う財政支援事業費が2億円の減額となっている。これは、制度が始まった28年度にとられた予算が余り、その返納分が減額されたということである。
 29年度に比べ総額が減少しているのは、システム改修がなくなった影響がほとんどである。
(4) 指導・監査等の実施状況
   厚労省は、保険医療機関等に対する指導・監査等の実施状況(28年度)をまとめた。
 概況は、個別指導4523件、適時調査3363件、監査74件などである。その結果、保険医療機関等の指定の取り消しは、取り消し相当を含めて27件。保険医等の登録の取り消しは、取り消し相当を含めて21人となっている。
 指定取り消しの理由は、架空・付け増し・振り替え・二重請求などの不正請求がほとんどを占めた。保険者や医療機関従事者等、医療費通知に基づく被保険者等からの通報による発覚が大半である。
 行政当局が保険医療機関等に対して返還を求めた額は、88億8898万円にのぼった。

(5)

最近の医療費の動向
   29年4〜7月の医療保険医療費は、13兆9000億円。休日数補正後の対前年度伸び率は2.0%。特徴は、被用者保険本人の5.4%増に対して、国保は3.0%減。人数増加数を見ると、被用者保険本人が130万人増、国保が180万人減であり、伸び率に反映されていることがわかる。
 29年6〜7月の抗ウイルス剤をみると、6月は対前年度比110億円減の165億円、7月は対前年度比100億円減の160億円となっており、1年間で6割程度まで減少している。
 後発医薬品について、29年7月は、数量ベースで68.6%。前月に比べ減少しているが、特許切れの先発医薬品が分母に入ったため、少し特異な結果となっている。
(6) 介護納付金の総報酬割導入にかかる負担軽減策
   30年度から2分の1総報酬割となる。1人あたり介護納付金の額に上限を設定し、負担の特に重い保険者の負担を軽減するというもの。
 軽減見込み額は約286億円である。この286億円の財源を、全被用者保険者で、2号被保険者の人数に応じて再按分する。
 再按分にかかる30年度の補助金は、29年度と同額の94億円が予算措置された。

2. 大阪連合会活動

(1) 広報委員会
   昨年12月25日に開催。かけはし30年1月号の編集概要について報告された。
(2) 報告事項
   川隅専務理事から、以下2点について報告があった。
 @30年度健康保険組合予算編成等事務説明会を1月22日(月)に大阪商工会議所で開催する。近畿各連合会を含めて650人の申し込みがあった。当日は、予算編成等にかかる事務説明を近畿厚生局担当官、そして保険者算定や高額療養費制度の改正、第3期特定健診・特定保健指導への対応について、健保連本部にそれぞれお話しいただく。
 A30年度の大阪連合会予算案、事業計画については、今後、各委員会において審議いただいた後、予算編成会議、理事会、予算総会という流れで決定していくこととなる。