広報誌「かけはし」

■2018年1月 No.556
 
投稿 言わしてんか!聞いてんか!

●情報連携で思うこと
 

 マイナンバー利用の情報連携の本格運用が始まっていますが、皆さん利用されていますか。
 昨年は各健保組合において、全加入者のマイナンバーの取得から始まり、専用端末の設置、そして7月からの試行運用期間を経て、11月13日からは情報連携の本格運用が開始されていると思います。
 本格運用に至るまでには、関係機関による説明会に幾度となく出席し、そこでは「機関別符号」やら「被保険者枝番」やら耳慣れない言葉が出てきました。加入者の負担が軽減され、健保組合の事務処理が合理化されるならと、アナログ人間の私なりに情報連携の仕組みの理解に努め、eラーニングとやらでの情報連携に向けた研修も受講し、本格運用に備えてきました。
 しかしながら、実際にはまだまだ情報連携で取得できる内容は限られています。例えば被扶養者認定の際に必要な所得情報には、遺族年金や障害年金は除かれていたり(平成30年7月以降には確認できる予定となっているが)、また、傷病手当金の支給決定では、ほかの医療保険者の支給状況は確認できても、傷病名の確認ができないなど、中途半端な情報しか得られません。一部の届出を除いては従来通りの事務処理しかできない状況ですよね!
 さらには、このシステムの運営および保守費用ですが、国から加入者1人あたり月額6.64円、新規加入者を中間サーバーに登録する費用として1件あたり10円の負担を求められ、当組合では年間数百万円も負担することになっています。どういうこと??? 当然公費負担にすべきではないでしょうか。
 こんな手間と費用がかかるマイナンバー制度。国の政策では従わざるを得ませんが、「便利だなー」と実感できる日はいつの日か。あの使い勝手が悪い二千円札のようにならなければいいのですが。

(第4地区 H・M)

   
●健保組合の憂い
 

 健康保険組合の仕事に初めてかかわり、1年が過ぎました。一人の被保険者の立場でいたときには、健保組合について何も知らなかったことに気づかされました。
 今まで、大病にかかることも入院したこともなく、保険証を使うのは風邪などの軽微な病気やケガぐらいでした。そのため、以前は健保組合の保険料も国が決めているのかなぐらいで、実態をまったく理解していませんでしたが、実際に健保組合で仕事をすると、いろいろな矛盾が見えてきました。
 特に高齢者医療への拠出金に対してはまったく知らず、大変なことになっていることに気づかされました。この制度のことを理解、いや、知っている人はどれだけいるのでしょうか。このままでは、健保組合解散、国民皆保険制度も崩壊になるのではと危惧しています。
 この状況を打破するには、多くの健保組合の加入者にこの実態を知ってもらうことが必要であるとつくづく感じています。
 『皆でおかしな制度だ』と声を上げていくことが必要では…。
 日本の皆保険制度は、世界に誇れるものなので、うまく継続させていってほしいものです。

(第5地区 H・Y)

 
●美容に健康保険適用?
 

 以前、肌のトラブルで皮膚科を受診し、保湿不足ということで、医師から「ヒルドイド」という保湿剤を処方されたことがある。そのとき、非常によく効き、優れた外用薬であると感じた。
 そして、この「ヒルドイド」が最近、美容目的として使用されているということがニュースで取り上げられていた。美容に関心の高い女性が皮膚科を受診し、乾燥肌等を医師に訴え、ヒルドイドを処方してもらい化粧品代わりに使用するというケースが増加しているという内容である。
 ところで、健康保険組合連合会が9月に公表したレセプト分析結果によると、2015年9月までの1年間と、2016年9月までの1年間を比べると、ヒルドイドなどの保湿剤だけを処方された女性のレセプト増加件数は、男性の5倍以上であった。
 ヒルドイドの薬価は、軟膏50g入りで1185円。3割負担であれば350円ほどで済むが、残りの7割は保険料でまかなわれている。医療費全体から見れば微々たる額かもしれないが、こういう積み重ねが結果的に医療費を押し上げているのではないだろうか。
 美容目的であるならば、本来は保険の適用除外であるはずで、このように急に保険の適用が増えている現状には疑問を感じる。公的医療保険の財源には限りがある。
 今後、何らかの対策が必要だ。

(第6地区 Y・O)
 

 
投稿規定
「言わしてんか!聞いてんか!」
500字以内。手書き、ワープロ自由。見出しも付けてください。原稿を添削する場合があります。
イラスト、写真も歓迎します。
原則として、投稿者の「所属組合名と実名」を掲載。匿名希望(イニシャル)の場合も、原稿には「所属組合名と実名」を明記してください。
原稿は地区会の広報委員へ送ってください。
問い合わせは、健保連大阪連合会事務局へ。(06-4795-5522)