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厚労省はこのほど、平成27年度の特定健診・特定保健指導の実施状況(確定値)を公表した。全体の特定健診実施率は50.1%、このうち健保組合は対前年度比1.4ポイント増の73.9%。一方、全体の特定保健指導実施率は17.5%、健保組合は対前年度比0.5ポイント増の18.2%だった。 |
平成20年度から実施されている特定健診・特定保健指導制度は、40歳から74歳までの被保険者・被扶養者を対象に、メタボリックシンドロームに着目して医療保険者の実施が義務づけられている。
厚労省のまとめによると、医療保険者全体の特定健診実施率は、前年度より1.5ポイント上昇して50.1%となった。医療保険者別にみると、実施率が最も高かったのは共済組合の75.8%。次いで健保組合が73.9%で続いている。
健保組合について詳しくみると、特定健診実施率は前年度より1.4ポイント上昇した。健保組合の種類別では、単一組合が76.2%、総合組合が69.7%。被保険者・被扶養者別では、被保険者に対しては85.2%、被扶養者に対しては47.3%で、被扶養者に対する特定健診実施率向上が今後も課題となっている。
このほかの医療保険者の特定健診実施率は、国保組合46.7%、協会けんぽ45.6%、船員保険46.8%。市町村国保が最も低く36.3%だった。
27年度に特定健診を受けた人のうち、特定保健指導の対象となった人の割合は、全体で16.7%だった。このうち、特定保健指導を終了した人の割合である特定保健指導実施率は17.5%。対前年度比で0.3ポイント低下した。
特定保健指導の実施率低下の原因について厚労省は、「協会けんぽが不信通信への対処のため、システムネットワークを約1年間遮断したこと等で、健診結果データの効率的なシステム登録ができず、初回面接の件数が大きく落ち込んだことが影響」と指摘している。
特定保健指導の実施率について医療保険者別にみると、最も高かったのは市町村国保の23.6%。以下、共済組合19.6%、健保組合18.2%(単一22.5%、総合10.4%)、協会けんぽ12.6%、国保組合8.9%、船員保険6.9%の順となっている。
市町村国保は、特定保健指導実施率が高いから活発な保健指導が行われているのかといえば、そうとは限らない。特定健診実施率が低く、特定保健指導実施率算定の分母となる特定健診受診者数が少ないことが影響していると思われる。また、市町村国保は、保険者規模が小さいほど実施率が高い傾向にあった。
後期高齢者支援金の加算対象となる「特定保健指導実施率0%」の保険者数は年々減少しているものの、国保組合13.4%、単一健保組合6.9%が依然として高い割合で該当している。 |
特定健診実施率(平成27年度) |
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特定保健指導実施率(平成27年度) |
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