広報誌「かけはし」

■2017年8月 No.551

 

 健保連大阪連合会は7月26日、大阪市北区のホテルモントレ大阪で平成29年度第1回総会を開催した。出席組合142組合、委任状提出32組合、合計174組合が参加した。
 議事に先立ち、小笹定典会長からあいさつがあった。
 小笹会長は、健保組合の厳しい財政状況を踏まえ、「この8月分から介護納付金の総報酬割が段階的に導入される。健保連としては断固反対を表明してきたが、残念な結果となった。今後は助成金をはじめとした新たな要求の実現をめざす」と現状を示唆した。
 また、6月に閣議決定された骨太の方針2017について、「診療報酬や介護報酬のあり方の検討、薬価制度の抜本改革などが含まれており、経済・財政一体改革を着実に実行してほしい」とした。
 今後について、「骨太方針や2025年問題を視野に入れ、さらに踏み込んだ改革を求め、健保連の主張をより多くの人に理解してもらえる取り組みを進める」とまとめた。
 続いて、来賓として出席された近畿厚生局の平岡務保険課長から、あいさつがあった。
 平岡課長は、「超高齢化社会を迎え、増加し続ける医療費に対しての健保組合財政は厳しいものであり、拠出金等の負担において、大変な苦労をしていただいている」とし、医療費適正化や保健事業については「健保組合にとって基軸となる重要な事業である」と述べた。
 また、診療報酬・介護報酬の同時改定や第3期医療費適正化計画策定などがある平成30年度に向け、29年度は医療・介護保険制度の大きな節目の重要な1年であるとした。

 総会では、規約の定めにより小笹会長が議長となり、議事録署名者に電線工業健康保険組合、鴻池健康保険組合を指名した。

 議事に入り、議案第1号から第5号までの審議を行った。


総会であいさつに立つ健保連大阪連合会の小笹定典会長

議案第1号
大阪連合会平成28年度 事業報告
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議案第2号
大阪連合会平成28年度 収入支出決算
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議案第3号
大阪連合会平成28年度 収入支出決算残金処分
 以上、議案第1号から議案第3号までの3議案を一括提案し、事務局から各議案を詳細に説明。監事組合を代表してタカラスタンダード健康保険組合から監査結果を報告。質疑・異議の有無を確認し、異議なく承認された。

議案第4号
大阪連合会平成28年度 被用者保険運営円滑化推進事業報告

議案第5号
大阪連合会平成28年度 被用者保険運営円滑化推進事業収入支出決算
 以上、議案第4号と議案第5号を一括提案し、事務局から説明。異議なく承認された。
 
 総会終了後には、来賓として出席された健保連本部の白川修二副会長から中央情勢報告があった。続いて、健保連大阪中央病院の大橋秀一院長からあいさつ、富田迅事務局長から同病院の概要について説明があった。
 白川副会長は、冒頭に平成28年度決算見込みについて、「健保組合は約2000億円の黒字。これで3年連続の黒字決算となる。協会けんぽも同じく3年連続の黒字であり、外からみれば、被用者保険の財政問題は片付いたと思われがちである。しかし、中身をみると、保険料率の引き上げによる保険料収入の増加と、前期高齢者納付金の精算分の戻りが主な要因であり、根本的な解決には至っていない」と強調した。
 そして、次の多岐にわたる健保組合をめぐる情勢を報告した。
 ▽骨太の方針2017(経済財政運営と改革の基本方針2017、医療費の地域差、病診の機能分化、支払基金改革、データヘルス強化、インセンティブ強化、がん検診受診率向上、病床機能の分化、薬価制度抜本改革):医療費適正化に向けた取り組みとなっているが、中長期的な対応は抜けていると苦言を呈した。 ▽当面の主張について(2025年までの医療費等推計、健保連/健保組合の当面の主張について検討WG設置):今後の広報の取り組みが重要であるとした。 ▽第3期特定健診・特定保健指導について(特定保健指導の実施内容を大幅改定・・・モデル事業、加算・減算問題) ▽支払基金改革について(「支払基金業務効率化計画工程表」および「ビッグデータ活用推進計画工程表」を発表) ▽社会保障手続きにおけるコスト削減について(事業主→健保組合間の手続きのオンライン化など)

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