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| ６月８日、大阪商工会議所で健康セミナーを開催。大阪市立大学 都市健康・スポーツ研究センター 准教授 岡﨑 和伸氏が「健康寿命を延伸する運動と生活習慣」をテーマに講演されました。参加数は、48組合・62人。（以下に講演要旨） |
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岡﨑 和伸 氏 |
わが国の健康寿命は、２０１３年時点で男性71．１９歳、女性74．２１歳であり、男女とも世界トップクラスである。
しかし、平均寿命と健康寿命の差である「継続的な医療・介護に依存せざるを得ない生存期間」、すなわち“不健康な期間”は、男性で約９年、女性で約12年であり、世界諸国と比べて決して短くはない。
われわれの身体機能や体力は、おおよそ20歳代をピークに加齢とともに低下し、ピーク時の約３割である日常生活活動不全閾値（いきち）を下回ると継続的な医療・介護が必要となる。すなわち、この年齢で健康寿命が終焉することとなる。
活動的でない人に比べて、活動的な人や運動を実施している人では、老化にともなって身体機能や体力は低下するものの、その低下の程度は緩やかで、“不健康な期間”が短縮して健康寿命を延伸することが期待できる。
厚生労働省の「健康づくりのための身体活動基準２０１３」では、疫学研究のシステマティックレビュー結果からメタボリック・シンドロームやロコモティブ・シンドロームのリスクを低減し、健康寿命を延伸することの期待できる身体活動および運動の量が提示されている。
身体活動量の基準値は、18～64歳では３メッツ以上の強度で23メッツ・時／週、65歳以上では強度を問わず10メッツ・時／週であり、歩行程度であれば、18～64歳では毎日60分、65歳以上では毎日40分に相当する。
一方、運動量の基準値は、18～64歳では３メッツ以上の強度で４メッツ・時／週であり、速歩程度であれば、毎週60分に相当する。これらに加えて、全身持久力（最大酸素摂取量）の高いことが、各リスクを逓減する独立因子であることが示されている。
つまり、基準値以上の量の身体活動や運動を実施することに加え、体力を維持・向上することが健康寿命延伸のカギである。
おもに中高年者を対象とし、前記基準値以上の身体活動や運動を在宅で無理なく実施することが可能な速歩（インターバル速歩）トレーニングによって、高血圧や高血糖などの生活習慣病指標の改善に加え、全身持久力や脚筋力が効果的に改善することが示されている。
運動トレーニングの効果の現れ方には非常に大きな個人差が認められる。それには、遺伝的背景に加えて、栄養素の摂取状況を含めた生活習慣が大きく関与する。中高年を対象とした在宅でのインターバル速歩トレーニングにおいても、脚の筋量と筋力の増加が、運動直後の糖質・蛋白質摂取によって亢進する。
このように、適切な栄養素摂取を併用することで、中高年者や生活習慣病患者に対する運動トレーニング効果が亢進することが期待できる。
しかし、継続しなければ運動の効果は得られない。日常生活でも身体活動量を増加し、運動を継続するためには、個人の生活環境・ライフスタイルを考慮した取り組みが必要である。 |
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