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健保連大阪連合会管内166健保組合の平成29年度予算概要が、このほどまとまった。経常収支は約337億円の赤字で、122組合(73.49%)が赤字を計上した。25組合が保険料率を引き上げた結果、平均保険料率は前年度より0.067ポイント上昇して9.261%となった。高齢者医療拠出金は、6.43%増加して約3760億円。拠出金の保険料収入に対する割合は、1.78ポイント上昇して43.99%となった。 |
大阪連合会管内166健保組合の平成29年度予算概要をみると、経常収支は、経常収入約8783億円、経常支出約9120億円で、差引約337億円の赤字となっている。
28年度予算と比較すると、経常収支赤字額は約122億円増加した。経常収入が2.44%増えたが、経常支出がそれを上回る3.77%増となったため。組合別にみると、経常収支赤字の組合は122組合で、全体の73.49%を占めた。赤字を計上した組合は、前年度より12組合増えた。
また、25組合が保険料率を引き上げた。この結果、調整保険料率を含んだ平均保険料率は、前年度より0.067ポイント上昇して9.261%となった。平均保険料率は、現行の高齢者医療制度となった平成20年度以降、10年連続で上昇している。
おもな適用状況をみると、被保険者数は8803人増えて168万1059人、被扶養者数は2万2555人減って148万7133人となった。平均標準報酬月額は1569円増えて37万2712円、平均標準賞与は3万1019円増えて114万4410円となった。
これらの影響で、保険料収入は前年度より2.14%増えて8547億5714万円、経常収入は2.44%増えて8783億0546万円となった。
一方、経常支出は3.77%増えて9120億3138万円となっている。収入増を上回る支出増が見込まれた結果、赤字額が前年度より121億9694万円増加。経常収支差引額は337億2592万円の赤字となった。
支出増となった第一の要因は、高齢者医療拠出金の増加だ。拠出金総額は227億1703万円(6.43%)増えて3759億6726万円となった。
内訳は、後期高齢者支援金(老人保健拠出金含む)が7.15%増の1927億5720万円、前期高齢者納付金(退職者給付拠出金含む)が5.68%増の1832億1007万円となっている。
法定給付費は1.37%増の4554億0965万円が見込まれた。 |
おもな適用状況 |
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おもな収支状況 |
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保険料率10%以上が47組合 |
協会けんぽの平均保険料率(10.00%)以上の料率の組合は47組合(全組合の28.31%)となっている。この割合は、全国平均(22.98%)よりはるかに高く、大阪の健保組合の苦しい実態を示している。
保険料率別に組合数の分布をみると、最も多いのが9.5%以上10%未満の40組合。10%以上10.5%未満が34組合、9.0%以上9.5%未満が32組合となっており、この3ランクに全組合の3分の2があてはまる。
なかには、11%以上を賦課する組合が1組合あった。料率が低かったのは6.0%未満の2組合。
実質保険料率は9.680%で、財政状況は前年度(9.549%)より悪化し、協会けんぽの平均保険料率に近づいた。
実質保険料率別に組合数の分布をみると、最も多いのが9.0%以上10%未満の55組合。次いで10%以上11%未満の46組合で、この2ランクに全組合の6割強があてはまる。最も高い11%以上が21組合もあった。
保険料収入に対する拠出金の割合は43.99%で、前年度より1.78ポイント上昇した。この割合別の組合数をみると、50%以上を拠出金に充てざるをえない組合が36組合あった。なかには60%以上の組合が10組合あった。
拠出金と法定給付費を合わせた、いわゆる義務的経費の保険料収入に対する割合は97.26%。保険料収入のほとんどが義務的経費を賄うために支出される。
介護保険の予算概要では、平均介護保険料率は前年度より0.036ポイント上昇して1.454%となった。健保組合が1年間に納める介護納付金の合計は919億8357万円、2号被保険者1人あたり額は9万6479円となっている。 |
保険料収入に対する拠出金の割合別組合数 |
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実質保険料率別組合数 |
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