広報誌「かけはし」

■2017年6月 No.549
 
投稿 言わしてんか!聞いてんか!

●国民皆保険維持のためには
 

 国民の医療費総額は40兆円を超えた。そのうち75歳以上の医療費が36%を占め、1人あたりの医療費は平均年間93万円。75歳未満は21万円だから、4倍以上になる。
 医療技術が進歩して寿命が延びているのはよいことであるが、それが健保組合を財政的に厳しい状況に追い込むことも事実だ。
 また、昨年10月からの社会保険の適用拡大、マイナンバー制度にともなう中間サーバーのシステム運営経費の負担、介護保険の納付金の総報酬割と、健康保険組合に義務的にかかる経費がここ数年急増している。
 医療費を抑えようと保健事業に取り組んでも、お国が決めた仕組みで一挙に飛んでいく。こんな状況はたまったもんじゃない。
 国会では3月、M学園への国有地売却問題で注目を集めた。確かにこの件も大切で、原因究明は必要であるが、それ以上に本来議論しなければならない課題や予算について、ほとんど議論が及ばなかった。そうみている人が国民のほとんどではないか。
 今回のこの件をみても、国会が完全にバラエティ番組化しているといえる。閣僚の政治献金についての攻防などは予算委員会で追及せず、別の場でやってといいたい。これが予算委員会といえるのかなぁ?
 首相には「いま最も重要な課題は医療費だ」と、国民皆保険維持のために各世代平等の負担を明言してほしいものである。

(第1地区 K・N)

   
●かかりつけ薬局?
 

 友人から聞いた話。複数の医院に通院しているので、処方薬をもらう調剤薬局を自宅近所の耳鼻科の隣にある薬局にまとめようと思い立ったそうです。
 その後、泌尿器科のお医者さんから薬が処方され、その薬局へ行ったところ、「この薬は置いていません。取り寄せになりますので、○日後に取りにきてください」とのこと。数日後に出直して、やっと薬を手に入れることができました。
 さらに数週間後、また泌尿器科で薬が処方されたので同じ薬局へ行くと、今度も「取り寄せになりますので…」と、またまた出直し。
 友人の経験から推察できるのは、同じ調剤薬局でも、耳鼻科の近くでは耳鼻科の薬、泌尿器科の近くでは泌尿器科の薬というふうに、よく使われる薬が主に置かれていることです。総合病院の近くにある大型薬局ならこんなことはないかもしれませんが、近所の“街のお医者さん”では、すぐ近くの薬局でもらうのが一番、便利なようです。
 飲み残しや重複処方によって無駄になる薬は年間500億円ともいわれ、国も「かかりつけ薬局」の普及に本腰を入れ始めたところです。とはいえ、患者からすれば処方された薬はすぐに手に入れたいものです。旗は振れど、現実にはまだまだ課題が多いようです。

(第2地区 Y・N)

 
●「未 来院請求」って納得されていますか??
 

 健保組合へのレセプト請求のなかで、納得いかないものの一つが「来院請求」です。皆さん納得されています?
 来院請求とは、歯科特有の制度で、歯冠修復物および欠損補綴物を製作後、患者さんが理由なく来院しなくなった場合や、患者さんの意思により治療を中止した場合に、装着予定日から起算して1カ月以上経過した時点で、歯科医院は保険者にその製作物の費用を請求できるというものです。
 要は、歯科医が患者さんの歯型をとって歯冠修復物等を作成したのに来院しないとなると、歯科医院が損をするので、その分を補てんするために保険者に請求できるというのです。
 しかも、かつては健康保険の負担分である7割の請求だったのが、平成18年度から3割の自己負担分を含めた全額を請求できるように変更されました。つまり、来院しなくなった患者さんからは自己負担分を徴収できないので、保険者が立て替え払いし、「あとは保険者が本人から回収して」というのが建て前になっています。
 しかし、この請求は通常の医療費よりかなり遅れて届くので、すでに本人が退職していたり、記憶がなかったり。通院したことは覚えていても、請求されたような材料が発注されていたとの認識がなく、結局、自己負担分も保険者が負担せざるを得ないケースがほとんどです。
 歯科医と患者さんのやり取りをまったく関知しない保険者がすべてを処理しなければならないこの仕組み。皆さんはどう思います?

(第3地区 H・A)
 

 
投稿規定
「言わしてんか!聞いてんか!」
500字以内。手書き、ワープロ自由。見出しも付けてください。原稿を添削する場合があります。
イラスト、写真も歓迎します。
原則として、投稿者の「所属組合名と実名」を掲載。匿名希望(イニシャル)の場合も、原稿には「所属組合名と実名」を明記してください。
原稿は地区会の広報委員へ送ってください。
問い合わせは、健保連大阪連合会事務局へ。(06-4795-5522)