広報誌「かけはし」
 

■2017年6月 No.549



 5月17日、定例の理事会を開催し、中央情勢報告を中心議題として審議した。

1. 中央情勢

(1) 介護保険法等改正案
   4月18日、衆議院本会議で可決された。参議院での審議入りは遅れたが、5月17日に厚生労働委員会で審議が始まった。
(2) 社保審医療保険部会
   4月26日の医療保険部会で、厚労省から大要次の点について報告された。
 @後期高齢者支援金の加算率の見直し(案)
 特定健診・保健指導の実施率により、後期高齢者支援金が加算・減算される仕組みが導入されている。平成29年度までは、特定保健指導実施率が0.1%未満の保険者が加算対象で、加算率は0.23%となっている。
 今回、30年度からの加算率の見直し(案)が提示された。見直しは政府方針の「保険者種別でのインセンティブ強化」の一環である。
 それによると、(ア)これまで加算・減算は全保険者を対象にしていたが、保険者種別ごとに改める。(イ)加算対象の保険者の実施率に幅を設定、実施率が低い保険者の加算率を段階的に引き上げる。
 (ウ)29年度から全保険者の実施率を公表する。(エ)減算率等、減算の指標は未定だが、30年度からの「第2期データヘルス」のテーマを組み込むことが検討されている。
 A働き方改革実行計画
 働き方改革実現会議(議長=安倍首相、関係閣僚ほか有識者で構成)は3月28日、働き方改革実行計画を決定した。一億総活躍社会の実現をめざし、13項目を策定したもの。
 このうち、医療保険関係では、▽柔軟な働き方がしやすい環境整備 ▽女性・若者の人材育成など活躍しやすい環境整備 ▽病気の治療と仕事の両立――をあげた。
(3) 審査支払機関のあり方
   厚労省と支払基金は4月25日、規制改革会議(内閣府設置)に、診療報酬の審査支払機関のありかたについての資料を提出した。同会議は昨年、支払基金改革についてゼロベースでの見直しを打ち出し、規制改革実施計画として閣議決定されていた。
 基金が提出した業務効率化計画および工程表のおもなポイントは、審査基準の統一化による支部間格差の是正、新システム稼動により機械チェックの寄与度向上(現行6割→8〜9割を目標)、業務効率化による人員のスリム化(遅くとも36年度末までに職員を20%(800人)程度削減――など。
 これに対して、同会議は、「コンピュータシステムこそが業務を規定、次期刷新時が基金改革のラストチャンス」と意見。健保連、協会けんぽも基金改革に積極的に関与すべきと求めた。
 健保連は6月5日に診療報酬対策委員会を開き、支払基金関係者から説明を聴取。
(4) 都道府県別1人あたり医療費
   厚労省は4月25日、経済財政諮問会議(内閣府)のなかの経済・財政一体改革推進委員会に、26年度国民医療費推計にもとづく都道府県別1人あたり医療費を報告した。
 年齢構成による格差除去後の医療費をみると、高い県は福岡、高知、長崎。低い県は新潟、長野、千葉。大阪も高く6位。医療費は、北海道を除き、あいかわらず西高東低となっている。

2. 大阪連合会報告

(1) 29年度健保組合予算概要
   大阪連合会管内166健保組合の29年度予算概要が報告された。
 経常収支差引額は△337億2592万2千円。28年度予算より赤字額が約122億円増加している。赤字組合数は122組合(73.49%)で、28年度より増加した。
 25組合が保険料率を引き上げ、平均保険料率は92.61‰に上昇した。
 各項目の増減率の対前年度比をみると、とくに平均標準賞与(2.79%増、全国値は△0.11%)を除き、4月に健保連本部が発表した全国値とほぼ同様の傾向を示している。
 法定給付費は、1人あたり額ともに全国値を上回っている。保険料収入に対する拠出金の割合は、43.99%で、前年度より高くなった。
 一方、介護保険については、平均保険料率が0.36‰上昇して14.54‰、介護納付金が約85億円(10.13%)増加して919億8356万8千円となっている。
詳細は「平成29年度 健保組合(大阪)予算概要」ページ参照

3. 大阪連合会活動

(1) 各種委員会
   広報委員会を4月24日に開催した。かけはし5月号の編集概要について報告された。
 また、医療給付委員会を4月25日に、組合業務委員会を4月26日にそれぞれ開催した。委員会所管の各種研修会、講習会の開催等、29年度の今後の事業について検討した。
(2) 報告事項
   川隅専務理事から、大阪連合会と協会けんぽ大阪支部が、企業の「健康宣言」促進を図るため、5月18日に相互連携に関する協定を締結する旨、説明された。