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健保連の白川修二副会長は3月22日、大阪連合会総会後に中央情勢を報告した。情勢報告は、@平成29年度の健保組合予算、A通常国会への厚労省関係の上程法案、B29年度の医療保険制度改革に関する検討課題、C健保組合・健保連活動の重要性―など広範に及んだ。
このなかで、30年度には医療保険制度に関わる大きな改革が控えているところから、白川副会長は「29年度は健保組合にとって重要な年」と位置づけ、健保組合のいっそうの協力と支援を呼びかけた。
(以下は制度改革関連の説明要旨、文責本誌) |
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厚労省は1月25日、社保審医療保険部会に次の「29年度の医療保険制度改革に関する検討課題」を提示した。▽後期高齢者の窓口負担 ▽支払基金の効率化とビッグデータの活用 ▽高齢者医療制度のあり方 ▽医療費適正化、医療保険の保険給付の範囲 ▽任継制度のあり方 ▽データヘルス改革―などだ。
健保連のスタンスは次のとおり。後期高齢者の窓口負担を、例えば75歳到達者から順次2割にするなどして、引き上げるべき。前期高齢者制度の負担の仕組みについては、国保側の会計区分や納付金の計算式を改める。市販類似薬の保険非適用または償還率の引き下げなどを行い、保険給付の範囲を見直す。任継制度のあり方を見直す―などである。 |
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29年度は重要な年である。30年度に大きな改革項目が目白押しとなっているからだ。それは、@診療報酬・介護報酬の同時改定、A第7次医療計画、第7次介護保険事業計画、第3次医療費適正化計画、B国保の都道府県単位化、C第2期データヘルス計画、第3期特定健診・保健指導計画、D支払基金の改革問題、E日本健康会議の活動の本格化―である。
@は6年に1度の同時改定であり、薬価の毎年改定の問題も含んでいる。Aの医療計画については、保険者協議会の意見書提出が法定化されてから初めての計画策定となる。Bについては、都道府県単位に設置された国保運営協議会への参画が法定化されている。Cについては、特定健診受診率は高いが、保健指導実施率は低いという健保組合の課題がある。
これらのことから、この1年間は健保組合にとって重要な年になる。課題に対応していくため、一つには健保組合の存在価値を証明することだ。具体的には、保険者機能を発揮する、保健事業の先駆的役割を担ってきたことを示す、住民代表として医療提供体制の改革を要請していく―などである。
二つには、「皆保険制度の維持」を強く訴えること。具体的には、2025年(高齢化のピーク)問題に向けた高齢者医療費の負担構造改革、地域包括ケアシステムの構築による医療・介護提供体制の整備、医療費適正化の仕組み構築―を急ぐ必要がある。 |
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健保組合が健全に運営できていなければ、皆保険制度は基盤から崩れる。健保組合を守ることは皆保険制度を守るということだ。
医療保険者のなかで、定率補助を受けずに、保険料のみで運営しているのは健保組合だけ。自信を持ってものを言える立場にある。いろいろな場面で正論を発信していくことが大切である。 |
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