 |
 |
日本老年学会が高齢者の年齢の定義を75歳以上にすると提案した。後期高齢者からが高齢者ということになる。65〜74歳の前期高齢者は「准高齢者」ということだが、社会保障制度をどうするのかは慎重に議論が進められるようだ。
一方で「一億総活躍社会」では、生涯を通じて健康で生きがいを持って暮らし続ける社会づくりが求められている。高齢者が、元気な限り働くのは自然な姿であり、何歳になっても健康で過ごせるための環境づくりと支援の仕組み、新たな社会モデルの構築が必要である。
団塊の世代がすべて75歳以上になる2025年(平成37年)を見据えて、すでに多くの取り組みが進んでいる。高齢になってからの予防・健康増進の取り組みだけではなく、現役世代からの取り組みも重要だ。
高齢労働者は、多くの場合、健康リスクや基礎疾患を持っている。日頃から各人が健康の大切さを認識し、自らの健康づくりに責任を持って取り組むことが大切なのはいうまでもない。
同時に保険者のサポートも必要であり、健保組合はデータヘルスを通じて実施している。保険者の役割には限界があるが、それをしっかりと果たすことが大切なのである。コラボヘルスでは事業主との連携が極めて重要であり、必要なのである。
働き方改革による長時間労働の是正、女性活躍といった課題と相まって、労働者の高齢化に伴い、その健康保持もより重要になる。いままで以上に企業の経営課題としてとらえ、他方、労働災害防止の観点からも、事業主に課せられた役割は大きい。
経産省のプロジェクトでも「健康経営オフィスレポート」がまとめられた。そこでは、従業員の健康の保持・増進のための環境の整備として「快適性、コミュニケーション、休憩・気分転換、体を動かす、適切な食行動、清潔、健康意識」が重要だと提案されている。
「日本健康会議」は、健康経営を目標の一つとし、「健康保険組合の積極的な働きかけにより、事業主や従業員等が自らの健康状況や健康課題を把握し、保健事業の必要性についての理解が促進されることを目的とした、健康保険組合と企業の連携が促進されるための事業を積極的に取り組むこと」を求めている。
健保組合が動き、経営者が健康宣言を出し、職場に体重計や血圧計を1台設置する。それだけでも健康意識が高まり、生活習慣が変わる。健康で活力溢れる従業員がいる会社は、生産性も高まり、社会や地域からも愛され、尊敬される。
健康経営の実践に経営者の英断を期待する。 |
|
(S・T) |
 |
 |
|
 |